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スクリャービン

今かけているCDはアムランの弾くスクリャービンのソナタ全集だ。ピアノオタクの間ではアムランもスクリャービンもメジャー中のメジャーという存在になってしまっているが、世間一般から見れば、人口に膾炙しているとはまだまだ言えないだろう。

好きな曲をあげてくださいと言われるとたくさんありすぎて返答に迷うが、好きな作曲家はと聞かれれば、スクリャービンは5本の指に入ることは間違いない。学生時代に所属するサークルの演奏会には何度となく出たが、結局一番たくさん弾いた(ことになっている)のはスクリャービンとラフマニノフだったように思う。

スクリャービンの曲は、かっこよさと危険な香りを併せ持っている。麻薬のような陶酔感があり、それがまた、何が自分が背徳的な世界に足を踏み入れてしまったような感覚にさせてくれるのだ。彼の作風は大きく分けて初期・中期・後期と3つに分けられるが、自分が一番惹かれるのは初期の終わりから中期にかけて、彼が特異なスタイルを確立させ、独特の「あぶない」世界を作り出していったころである。幻想曲Op.28、ソナタ第4番Op.30、詩曲Op.32-1、練習曲Op.42-5、ソナタ第5番Op.53。最初は心地悪かったはずの増7度の響きが、今は何度聴いても背中がゾクゾクするほどに気持ちよい。一度麻薬を覚えるとなかなかやめられないものらしいが、ちょうどこんな感じに近いのかもしれない、と思ったりする。

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