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長手数の追求

ネットワークトラブルなどがあったせいで少し遅れてしまったが、今月の詰パラには特別出題として、添川公司氏の超長編「新桃花源」が出ている。多分今頃は、日本中の詰将棋マニアたちが我こそはと競って駒を並べているに違いない。マニア以外の方に説明すると、現在最も手数が長い詰将棋は、橋本孝治氏の「ミクロコスモス」1525手詰である。2位は山本昭一氏の「メタ新世界」941手詰。つまり今までは、1000手の大台を超えた作品は1つしか存在していなかった。「新桃花源」がどのくらいの手数に達したのかまだ分からないが、おそらく2つ目の千手超え作品なのではないかと思う。きっと長手数を成立させるすごい機構が展開されているのだろう。

詰将棋を長手数を追い求めながらどんどん発展していったが、チェスプロブレムの世界では手数を伸ばす興味は詰将棋ほどは強くないようだ。それはプロブレムというものに対する考え方がかなり違うからだろうが、さらに突き詰めて言えば、将棋とチェスは似ているようでいてずいぶん異なるゲームであるということに行き着くように思う。これは詰将棋とチェスプロブレムのどちらが文化として優れているなどという話ではなく、それぞれのゲームのルールが生きるように発展した結果、追い求めるものが違ってきたということだ。

517.pngでは、チェスプロブレムの世界では、詰将棋のような長手数作品は望むべくもないのだろうか。これが、そうでもないようだ。今年の5月にMarc BourzutschkyとYakov Konovalより、517手かかるというプロブレムが発表された(TalkChess.comに投稿された本人のメッセージ参照)。517手というのはチェスの手の数え方だから、将棋流に言うなら1034手詰ということになる(これは勝敗の明らかな盤面に到達するまでの手数で、実際にメイトになるにはさらにもう少しかかる)。「新桃花源」とどちらが長いのだろうか?

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