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先週の問題の解答

先日の問題について、考えてみたことをまとめてみよう。まず、取られた駒を勘定してみると、白はPが1個だけ、一方黒はSが2個、QとRとBが1個ずつなくなっている。黒のPは全員生存しているので、生き残ったRとBは生まれつきである。

以下、黒のKとRがいずれも動いていないと仮定して推理してみよう。まず重要な事実は、b2にある黒Pが、元々はa列にいたものだということである。これは白のb列のPの裏側に入り込んでいることからすぐに分かる。この事実から、現在b6にいる方の黒Pはb7から来たこと、またe列の白Pは昇格したことが分かる(なぜなら、黒による駒取りはb2で行われたから)。では白Pはどこで昇格したのだろうか。a8だとしてみよう。この場合、e列の白Pがa列に移動するには、黒の駒が4つ必要である。しかし取られた5つの黒駒のうち、1つはb4の白Pに取られたはずだし、またf8にいたBはそこから動かないまま取られたはずであるから、e列の白Pが取った黒駒は高々3つである。したがって昇格はa列で起きたのではない。同様の理由で、c列で起きたのでもないことが分かる。したがって、e列のPがc6-b7-b8と進んでQに昇格したことになる。

これで戻し方がだんだん見えてきた。白はQをb8まで持っていってPに戻し、b7からc6に戻す。黒はそれからBをc8に格納し、そしてPをb7に戻すことになる。ただ問題は、Qがb8にいる瞬間、黒にチェックがかかってしまうことである。それを防ぐためには、a6に黒のBを用意しておいて、Qができてチェックがかかった瞬間にc8に引いて受けるしかない。

Ceriani-HelpMatea.png以上より、戻し方はこうなる。まず、白はQをa7まで、黒はBをa6ないしb7まで動かす。
-1. Bc8-a6(b7) Qb8-a7
-2. Ba6-c8 b7-b8=Q+
ここで右図の状態になる。さて、ここでもし黒がKもRも動かさなかったとしよう。すると、黒はa6のBを動かすしかない。例えばこう:
-3. Bb5-a6
白が戻せる駒は、現在のところb7の白Pだけだ。この先も黒の駒を復活させながらPをe列まで退かせるしかない。しかしe2まで完全に戻すことはできない。白Bがf1に帰れなくなるからだ。つまり白が戻せる余裕があるのはe3までで、その瞬間に黒がb7-b6と戻して白を凝り形から解放してくれないと、白はレトロステイルメイトに陥ってしまうのである。だから白の余裕はあと4手だけだ(cxb7, dxc6, exd5, e3-e4)。一方黒は最短でも、b7で発生したQを2手かけてd8に格納し、Bを2手かけてc8に戻すだけで4手かかってしまう(この2つの駒を鞘に収めないとb6のPを戻せないことに注意)。つまりこれでは白に戻せる手がなくなってしまうことになる。よって図の局面で、黒はKかRを動かさざるを得ない。

とまあこんな具合。ちょっと長くなってしまった。上の証明から、黒のKかRを動かせば戻すことが可能であることも多分分かると思う。

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