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2007年04月29日

一年ぶりの詰備会

半年に一度行われる詰将棋の会合・詰備会に参加するため、お昼前に岡山に向かった。前回は数学科の先輩であるTさんの披露宴と重なって出られなかったので、一年ぶりの参加ということになる。岡山駅の駅ビル内にある寂れた喫茶店で軽く昼飯を食べていくつもりでいたのだが、驚いたことに構内は完全に改装され、以前の面影は跡形もなくなっていた。1年経つと街の様相がまるで変わってしまうというのは、何も渋谷や秋葉原だけのことではないらしい。

会場の市民会館には1時過ぎに到着。今日はおそらく、私が出席した詰備会では一番参加人数が多かったのではないか。超短編の名手・Kaさんこそいらしていなかったが、幹事のToさんや詰パラの大学コーナー担当のHiさん、四国のたくぼん・くるぼんさんらいつものメンバーはもちろん、関西からはNaさんやSuさん、九州からHoさんもお見えになっていた(関東在住のUさんもいらしていて、その行動力には敬服)。やはり岡山という地は、西日本在住の人間が集まる場所としてはいいところなのかもしれない。広島ではこうはいかないだろう。個人的には、今までは誌上でお名前を拝見するだけだったSuさん(お名前の読み方がやっと分かった)やHoさんと実際にお会いできたこと、また大作家Naさんから創作の苦労話などをいろいろお聞きできたことが大きな収穫だった。

席上、たくぼんさんから次回の詰四会に出せそうな作品はないのかと聞かれる。今の手持ちは去年のスウェーデン滞在中に何となく創った1作だけだったので、おそるおそるそれを見せた。自分としては、見せ場も何にもなくてただ詰ますだけなのでボツにしようかとも思っていた作品である。ところが横で見ていた大学コーナー担当のHiさんが「これ、大学に投稿してくれれば無条件で採用するよ」とおっしゃる。そこにいらした方たちの感想では、初手が手広くて難しいというのである。実は創作してまもなく、内々に友人のバケラッタ氏に見てもらったときの彼のコメントは「初手が真っ先に見えてしまうのが残念」だったのだが……やっぱり人によって印象はかなり違ってくるようだ。ともあれ、その作品は後日大学に投稿し、詰四会にはまた別の作品を夏までに創ってくれということになってしまった。果たしてまともなものができるのか……やや心配である。

5時に詰備会は終了。岡山駅より帰途に就く。今回もなかなか有意義でよかった。

2007年04月28日

プロパラの解答清書

プロパラ最新号の締切が今月末なので、今日の午後はずっと解答を書いていた。プロパラが届くと、時間のあるときに少しずつ問題を解いて手順を余白に書き込んでおき、それを締切間際に一気に清書することにしている。ただこのとき、結構間違ってしまうことがあるので気をつけないといけない。まず、解けたと思って書き込んである手順がそもそも間違っている可能性がある(今回もいくつか発見した)。第二に、解けてはいるが記号を書き間違えている場合がある。第三に、それを転記するときに写し間違う可能性がある。この3つの罠をくぐり抜けて正しい解答を書き上げなければならないので、清書作業は慎重を要する。さらに解いた問題にはすべて感想を書くことにもしているので、どうしても時間がかかってしまうのだ。解答だけ書いて終わりにすればその分早く仕上がるのは確かだが、それではせっかく問題を創作してくれた人に申し訳ない気がするのである。やはり一言はコメントしておきたい。

今日からゴールデンウィークである。今年は後半の連休に一時帰省する予定にしているが、ちょうど蒲田でチェスの大会をやるらしいので、それならということでまた行ってみることにした。3~5日の3日コースと5日のみの1日コースがあるが、自分は3日間も戦える器ではないので、当然後者である。まあ今度こそ完膚無きまでにやられるのではないかと思う。そういえば、数日前に日本チェス協会からいただいたメールによると、この間4局指したことによって私の仮レーティングが1658と決まったそうだ。最初の数字がこれなら上出来だが、逆に言えばこれからは落ちる一方だろう。

それにしても、我ながらいろいろなことに中途半端に手を出しすぎている気もする。明日は詰将棋の会合、詰備会に参加するために岡山に行くし、来週の土曜日は蒲田でチェスだ。そしてその2週間後の土曜日は、奈良で開かれる演奏会にちょろっと出演させてもらうことになっている。趣味に限らず、昔からどうも私は、あれこれ首を突っ込んでみるばかりで掘り下げ方が足りないのではないか。その道一筋で入れ込んでいる人に太刀打ちできないのも道理である。

2007年04月27日

巨匠の死去

今日はH大で代数学セミナーがあり、午後から出かけた。高速道路は中国山地の中を縫うように走っているが、今日は空もよく晴れていて、山の青と空の青が素晴らしいコントラストをなしていた。こういう、暑くも寒くもない日は貴重だ。じきにうだるような暑さに閉口する日々がやってくる。

セミナーは5時前に終了。本当はその後の新入生歓迎会にも出席する予定だったのだが、どうも今日は起きたときから頭痛がして本調子ではない気がしたので、大事を取ってセミナーだけで失礼させてもらうことにした。昨日はビールをコップ数杯飲んだだけで、翌日に残るような飲み方はしていないはずなのだが、飲み会自体が久しぶりで身体が忘れていたのかもしれない。

帰宅してからニュースをチェックしていたら、ロストロポーヴィチが亡くなったとのこと。確かに最近は動向を聞かないと思っていたが、これでソ連が生んだ巨匠の時代も終わりか。追悼の意味を込め、今はロストロポーヴィチが弾く無伴奏チェロ組曲をかけている。

2007年04月26日

親睦会

今日は7時から、新専攻のメンバーの親睦会があった。今年度から学部が改編され、集まった顔ぶれは同僚といえどよく知らない人がほとんど。ビールをつぎながら「○○です、どうも」「あっこりゃどうも、○○です、どうも」とややぎこちなく自己紹介をして、そこから先は「ご専門は?」とか「広島にはずっと?」などと基本的な質問で少しずつ会話をしていくことになる。どちらかといえば私は人見知りする方で、こういうときはちょっと頑張らないといけないのだが、今日はアルコールの勢いもあったか、まあまあとけこめたと思う。

9時に散会したあと、何人かは2次会に繰り出していったようだが、私はそこで失礼させてもらった。バスセンターからバスに乗ろうとしたら、自分と同じマンション群にお住まいの先生がやはり帰ろうと行列に並んでいらしたので、到着するまで車内でお話しする(親睦会では席が遠く離れていてお話しできなかった)。このマンションは大学に近いので、他にも住んでいらっしゃる先生が何人かおられるようだ。今までは気づかなかっただけで、実は中央のスーパーでしょっちゅうすれ違っていたのかもしれない。

明日は明日でH大の新入生歓迎会に顔を出すため、帰りはまた少し遅くなる見込み。ただ車で行くのでアルコールはなしである。

2007年04月25日

世紀の音痴のライバル

少し前に、凄まじい音痴のおばさん、ジェンキンス夫人が歌うアリア集のCDをここで紹介した。私が登録しているメーリングリストに昨日流れたメールで知ったのだが、実はこういうCDはこれだけではないのだそうだ。2年くらい前に出たもので、その名も "The Muse Surmounted: Florence Foster Jenkins and Eleven of Her Rivals"。ジェンキンス夫人だけでも十分すぎるのに、あと11人もいるのかよ、と言いたくなる。

下手くそなどというありきたりの言葉では説明できないような歌唱を、全く恥ずかしがることもなく公衆の面前で歌いきってみせるというのは、やはり普通ではない。きっとこの人たちは、ただただ歌が好きで、歌いたいという自身の願望にひたすら忠実であろうとしただけなのだ。確かに歌はひどいが、根はきっとすごくいい人だったに違いない……と、遺された録音を聴いていると思いたくなる。その方が、まだ下手くそな歌を聴かされても救われるというものだ。ところが、紹介してくれた方のメールによると、そういう人物像は誤りで、現実はひどかったという。「ジェンキンスは虚栄心の怪物であり、利己的だったが、狂人ではない。安っぽい人間で、都合の悪いことは隠し、妄言を信じ、卑劣でみすぼらしく、俗っぽい女性でありながら、最大のディーヴァに匹敵するエゴだけは持ち合わせていた」。ひどい言われようだが、こういう人物像を補強するエピソードがいくつもライナーノーツに詳述されているらしい。

こんなのを聴くくらいなら、キリ・テ・カナワやキャスリーン・バトルで満ち足りた気分に浸るのがいいことは間違いないのだが、それはそれ、これはこれである。早速ネットで注文してしまうのだった。

2007年04月24日

マスプロ講義

火曜日なのでいつものようにH大へ。7月までのわずか14回で微積分を一通り概観するという講義なので、ほとんどまともな証明もせずにさらさらやっていくしかない。内容的にも、高校までの内容に少し毛が生えた程度になってしまう。まあ今後あまり数学に接する学部ではないし、これで十分ということなのだろう。今日は合成関数・逆関数の微分、平均値の定理など。まだ名簿ができていないので正確な人数は分からないが、去年と同じくらいだろうからまあ60人前後か。これくらいだと試験の採点もそれほど時間がかからなくて助かる。4年前に別の大学で非常勤講師をしたときは、倍の120人くらい受講者がいて、採点が大変だった。もっとも、今にして思えばそんなのはかわいい方で、大学によっては500人とか600人というマスプロ講義を持たされることもある。私だったら卒倒してしまいそうだ。

終了後、土曜日に三段峡歩きとサッカー観戦を共にしたT君ととんかつ屋で夕飯。その席で彼から聞かされて驚いたのだが、私とT君が学生当時に受講していた、M教授の基礎統計学という講義(先生の名前をつけて「M統計」と呼ばれていた)は、何と受講登録者が2,000人いたそうだ。理系学生はほとんど受けていたからかなりの人数だったはずとは思っていたが、2,000人とは!マスプロ講義、ここに極まれりである。キャンパス内で一番大きい、900番教室と呼ばれる部屋を使っても到底収容しきれず、M教授は2回に分けて講義をしていた。T君によれば、1週間くらいかけて試験の採点をしていたという話だ。上には上がいるものである。あのときは、みんなこの講義取るようだから自分も取っておくかという程度の意識しかなくて、教員側の手間なんて一顧だにしなかった。こちら側に回って初めて分かる苦労である。

2007年04月22日

雨の休息日

昨日三段峡巡りとサッカー観戦をしてそのまま我が家に泊まっていただいたT君を、午前中に横川駅まで雨の中お送りする。やはり昨日のうちに遠足をすませておいたのは正解だった。あんな危なっかしいところを今日歩いていたら、ずぶ濡れになるどころか、土砂崩れか何かに巻き込まれそうだ。

もう十分昨日活動したので、今日はもう休息日と決め、午後は明後日の講義の準備をしたり、電子ピアノに向かったり、昔並べたはずなのにすっかり忘れたチェスのオープニングをもう一度並べ直したりと、あれこれやりながらのんびり過ごした。夕飯は肉じゃが。

2007年04月21日

三段峡とサッカー

先日約束した通り、今日はT君と三段峡に遊びに行くことにしていた。10時半に待ち合わせ、弁当などを買ってから出発。

Sandankyo2.jpgSandankyo1.jpg三段峡は広島の奥深い山の中にある。数年前に可部線の可部駅から三段峡駅が廃線となり、今ではここには車かバスでしか訪れる方法はなくなってしまったが、実はうちからは高速道路をちょっと走ると1時間足らずで着いてしまう。比較的気軽に行けるので、一昨年の秋にも紅葉をぶらっと見に行ってみたことがあった。そのときには結構な人出だったのだが、今日はまだオフシーズンなのか、駐車場もがら空きで拍子抜けだった。

傾斜面に作られた危なっかしい山道を歩くこと小一時間、一応三段峡のメインと言える三段滝に到着。親子連れが一組いただけで、その人たちが帰ったあとは我々だけで滝を独占してしまった。まあ名前ほどの滝ではない気もするが、やはり自然の中で水音を聞いているのは気分がよい。脇の岩場に腰掛けて、滝を見ながら買ってきた弁当で昼食とした。三段峡にはもう一つ、二段滝と呼ばれる滝もあるのだが、こちらは渡し船に乗らないと見ることができず、それが今月29日からでないと運行しないとのことだったので、渡し場まで歩いただけでやむなく断念。それでも、いい運動になった。

Sanfrecce.jpgさて一回りして車に戻り、元来た道を帰ってきたら、3時半頃には家に戻ってきてしまった。当初心配していた、サッカーの試合が原因の渋滞には巻き込まれずにすんだわけだ。そこでT君と相談のうえ、どうせなら話のタネに、一度サンフレッチェ広島のゲームを観戦してみようということになる。確かにこんな近くに住んでいるのだから、一回くらい見ないともったいない。キックオフは夜7時、対戦相手はアルビレックス新潟。生でサッカーの試合を見るのは初めての経験だったので大変新鮮だったのだが、ゲーム後半に雨が降り出したのと、あまり見せ場もなくスコアレスドローで終わってしまったのはやや残念だった。

帰宅後、渡辺竜王とボナンザの対決の番組を見ていたために、このブログの更新がすっかり遅くなってしまった。T君は今日はうちに泊まる予定。

2007年04月20日

代数学セミナー

H大で今年度最初の代数学セミナーがあったので、午後からまた車で赴いた。一昨日寒いと書いたばかりだが、今日は日射しで車内の温度がぐんぐん上昇して、あわてて着てきた上着を1枚脱がなければいけなかった。この時期は気温の変動が激しくて着るものに迷う。セミナーはH大の学生さんの発表だったが、微分幾何的な内容で、正直言ってほとんど分からなかった。我ながら芸域が狭すぎる。もっといろいろ勉強しないと。

明日はH大のT君と三段峡を歩いてくる予定。天気が少し怪しいが、何とか持ってくれることを祈ろう。

2007年04月19日

解を数える

この間考えた解の数え上げ問題について。将棋の指し始めの局面から後手が連続して9手指し、最後に先手が1手指して後手玉が詰んだとするとき、詰め上がり図に到達する手順前後解は全部でいくつあるか、である。

SeriesHelp9-1.pngまず左の図面について考えてみよう。後手が指した手は74歩(1手)、51玉→95玉(4手)、83歩→85歩(2手)、84飛(1手)、94歩(1手)の9手である。このうち94歩は他の手と全く干渉しておらず、いつ指すこともできるので、一番最後にまとめて考えることにしよう。残りの8手だが、玉の8筋の横断が83の歩を突く前か後かで分けると考えやすいと思う。歩を突く前に84玉と出る手順は、それ以降の手順が95玉、84歩、85歩、84飛と完全に決まってしまうので、74歩と62玉のどちらを先に指すかという2通りしか選択の余地がない。一方、歩を85まで突いてから玉を通す場合は、84玉から先はやはり手順が一意に決まってしまうので、[85歩・74歩・73玉]の形に至るまでに何通りあるかを数えればよい。これは84歩、85歩の2手を残りの3手の並びのどこで挿入するかで決まるから、組み合わせの計算で20通り。これに先ほどの2通りを足して22通り。最後に、とっておいた94歩をどこで指すかという可能性を考えて9倍すれば、解の個数は全部で22×9=198通りになる。

SeriesHelp9-2.png続いて左の図面。王手がかかってはいけないことを考えると、後手が最後に指した手は17としかあり得ない。ということは、(51玉-)42玉-32玉-23玉-14玉と玉を動かす4手と、(23歩-)24歩-25歩-26歩-27歩成と歩を動かす4手の組み合わせを全部数えればいいことになる。これは8C4=70通り。しかし、最初に玉ばかり3手動かす手は、23地点にまだ歩がいて不可能であるから、その分を除かねばならない。これが5通りあるから、その分を引いて解は70-5=65通りあることが分かる。

もっとうまい考え方があって簡単に計算できるのかもしれないが、とりあえずない知恵を絞って数えてみた。もし間違っていたらご教示いただければ幸いである。しかし、将棋でカタラン数やフィボナッチ数が答えになる図面を創るのはかなり大変そうだ。

2007年04月18日

今日のカープ

びっくりするほど寒い一日だった。九州のどこだったか、雪がちらついたところもあったとか。暖冬のツケを今になって払わされている気分である。

自分は別にプロ野球がとりわけ好きというわけでもないし、特定のチームのファンやアンチファンであるつもりもあまりないが、せっかく広島に来たのだからということで、カープの勝敗は以前より気をつけるようになった。何だか今年も鯉は底の方を泳いでいるようだ。7時前に帰宅できると、広島ローカルのニュースを見ることができるが、終わりの方でいつもカープ情報のコーナーがある。これがいつも見ていて気の毒になる。
男性アナ「昨日はエース黒田の好投で、ジャイアンツを3安打に押さえて見事に勝利したカープ!今日も京セラドームでジャイアンツと対戦しています。現在、えー、4回まで終わって1対1の同点となっていますねえ」
女性アナ「ここまでまだ連勝がありませんので、是非ここで頑張ってほしいですね!」
努めて声を明るくして笑顔で言っているのだが、よく考えてみると全然明るいことを言っていない。勝敗やチーム状況がどうであっても毎日希望を持たせるようなコメントをしなければいけないというのは、あまり楽ではないだろう。

で、結局今日も負けたようで……。

2007年04月17日

講義の日

火曜日なので、午後からH大へ。桜はすっかり散ったが、まだ少し肌寒い。講義は2回目で、まだまだ静かに聞いていてくれるが、それでも始まる前の騒がしさは先週に比べてぐんと増した。チャイムを待って「えーと、それでは……」と第一声を発するとすうっと減衰していくのだが、回を重ねるごとにこの減衰曲線の傾きが緩やかになっていくことになっている。6月くらいになると、いつまでも私語で楽しむ人も現れる。4年前に別の大学で非常勤講師をしたときは、そんなときにちょっと語気を強めて注意してみたこともあったが、最近は穏やかな表情と穏やかな口調で、「あ、何かご質問でしょうか?」とお聞きすることにしている。余計なエネルギーを使わなくていいし、どうもその方が効果があるような気がするのである。これは学生時代に先生方を見ていて達した結論。

終了後、先週と同じくT君と合流して夕飯。たまには行楽にでも行こうかという話になり、今度の土日に天気がよければ三段峡を歩くという案が出る。ただ天気予報があまり芳しくないのと、土曜日にサンフレッチェ広島のホームゲームがあるというのが不安要素(この一帯の道路が大渋滞になるため)。まあもう少し近くなってからどうするか決めよう。

2007年04月16日

解の数え上げ

数学、ピアノ、チェスプロブレムのすべての分野において天賦の才を発揮しているNoam Elkiesという数学者がいることは、以前にもふれた。そのElkies氏が2005年に発表した論文 "New directions in enumerative chess problems" (The electronic journal of combinatorics, 11(2)) がちょっと面白いので紹介しよう。

チェスプロブレムであれ、フェアリー系を含めた詰将棋であれ、解となる手順は完全に一意的に定まっていなければならない。ああ指してもこう指しても詰むというのでは問題にならないからだ。ただプルーフゲームやシリーズヘルプメイトなどのように、問題の形式によっては「指し手の順番に違いがあるだけで、手順自体は本質的に一つ」ということがよく起こり得る。普通はこれも不完全やキズもの扱いを受けてしまうが、ここで見方を変えて、その手順前後解が全部でいくつあるかを数えてみたらどうだろうか。これがこの論文で提起されている問題である。

Bonsdorff-Vaisanen.png例としてElkiesがあげているのが、1983年のBonsdorff-Väisänenによる14手のシリーズヘルプメイトである(出典はSuomen Tehtäväniekat)。シリーズヘルプメイトというのは、まず指定された手数だけ連続して黒が指し、白が黒を1手で詰ませることができるような局面を作ることを求める問題のこと。つまりここでは黒が14手続けて指し、自らが1手で詰まされるような局面にしなければいけない。白が指せるのは最後の1手だけで、チェックをかけられる駒はb6のポーンだけであるから、このポーンを動かしたらその瞬間に黒のキングがメイトになるような手順を求めよということである。なお最後の局面も含め、黒が指し続けている間、黒は白にチェックをかけてはならない。

Bonsdorff-Vaisanen-solution.pngちょっと考えるとすぐに分かるが、目的を達成するためには左のような局面にするしかない。つまり、2つの黒のポーンを両方ともビショップに昇格させ、a7とb8に配置するのである。手数を勘定してみると、1つ目のポーンが
(a5-)a4-a3-a2-a1-e5-b8-a7
で7手、もう1つのポーンが
(a6-)a5-a4-a3-a2-a1-e5-b8
で7手となり、ちょうど14手である。かくして白が最後にポーンをb7と進めてメイトとなる。

さてこの問題、ポーンをビショップに変えて決まった経路で移動させるしかないから、解は本質的には1つである。しかし手順の順番はかなり可能性がある。最初のポーンをビショップに昇格させ、a7まで持って行ってから2つ目を動かし始めてもいいし、2つのポーンをつかず離れず動かしていってもよい。では全部でいくつあるだろうか?正解は、この手の数え上げの問題でしばしば登場する、カタラン数と呼ばれる数になる。今の場合、それぞれのポーンが所定の位置に収まるまでに7手ずつ要しているので、答えは C7=14!/7!8!=429となる。

こんな調子で、Elkies氏はいろんな問題に対して解の個数を数え上げてみせる。中には解の個数がフィボナッチ数だったり、ちょうど100万だったり、論文が発表された年と同じ2005だったりする問題もある。創作に長けてくると、望んだ数だけ解を持つ問題を創ることもできてしまうようだ。実際、この論文は大数学者Richard Stanleyの60歳を記念して書かれたものだが、ちゃんと60個解があるプロブレムもElkies氏は創ってみせている。やはり天才というしかない。

SeriesHelp9-2.pngSeriesHelp9-1.pngさて、同じことを将棋で考えてみよう。去年の今頃、たくぼんさんのページで「実戦初形より後手が連続して指し、先手から1手詰の局面を創れ」というお題が出されたことがあった。すなわち、初形からのシリーズヘルプメイトである。右図はそのときに出た解の詰め上がり局面で、いずれもまず後手が連続して9手指し、次に先手が1手指して詰んでいる(後手が指し続けている間、どちらかの玉に王手がかかるような手は指してはいけない)。解は一意ではないが、どちらも違うのは手順前後の分だけだ。さてそれぞれ、解は全部でいくつあるだろうか?

2007年04月15日

ビデオテープの経年劣化

学生時代、所属していたピアノサークルの演奏会があったときは、私はいつも会場にビデオカメラを持ち込んで同期の友人の演奏を撮影していた。たまったビデオテープは50本を下らない。中には「Uの芸術」を始めとして、このまま日の目を見ないまま埋もれさせてしまうにはあまりに惜しい、鳥肌の立つような超名演も含まれている。早くDVD化を進めないといけないとは前から思っていて、実際にその作業を少しやっていたこともあるのだが、何しろ1本をキャプチャーするのにも相当な時間がかかるので、結局後回しにしてしまっていた。しかしこのままでは、メディアが完全に消滅して永久に見られなくなってしまう。今日は一念発起して、その作業に時間を使おうと考えた。

ところがいざ始めてみて、なぜ以前作業を中断してしまったかをだんだん思い出してきた。キャプチャーに時間がかかるということもあるが、それ以上にテープの劣化がひどいのだ。1秒に1回、2秒に3回という調子でノイズやコマ落ちが発生する。多少のノイズは目をつぶるとしても、コマが落ちて音がぶつぶつと飛ぶのは、演奏会の映像である以上致命的である。さらに再生し続けると、デッキから「キュイー」という断末魔の絶叫のような音が聞こえてきて、あわてて停止せざるを得なかった。クリーニングをしてみても効果なし。デッキにも問題があるのかもしれないが、中にはほぼ正常にかかるテープもあったから、やはりビデオテープが経年劣化してかなり傷んできているのだろう。おそらく長期間巻き取られた状態のままだったために、テープ同士が癒着してしまったのではないかと思われる。

それにしても、ほんの一昔前までこれが当たり前のメディアだったのに、気がついたときにはもう歴史の一部になりつつあるのだから恐ろしい。今普通に使っているものも、10年後には果たしてどうなっていることか。とにかく、困った状態にある大量のテープからどうやって映像を救出するか、何か考えないといけない。

2007年04月14日

ピアノと電子ピアノの違い

ゆっくり起きて、パスタをゆでて、食後にコーヒーを一杯。一番落ち着くので、土日はたいていこれだ。ここで睡眠サイクルや体調をリセットして次の週に臨むのだが、だんだん乱れてきて週の後半にはまた朝起きるのがつらくなっている。去年の大晦日に反省したはずなのに全然生かされていない。来週は生活にメリハリをつけることを少し強く意識しよう。

夕方に市街地へ出かける。少しアコースティックなピアノを弾いてこようというつもりだったのだが、あろうことか楽譜を持っていくのを忘れてしまった。ときどきこうやって間抜けな忘れ物をしてしまう。まあ今日については、楽譜を暗譜度合いを確認するいい機会になったのでよしとしよう。もちろんまだ弾けていないところだらけではあるが、それは覚えていないことによるものではなく、純粋に技術的な問題が原因のようだから、そこはひたすら繰り返し練習するしかない。

今日はグランドピアノの部屋が空いていなかったのでアップライトで我慢したが、やはり電子ピアノに指が慣れてしまっているので、久しぶりに弾くとどうも違いにとまどってしまう。特にペダルの使い方が難しい。電子ピアノでうまくいっていたはずの箇所が、やたらに音が濁ったり不自然に切れたりしてしまうのである。あとはピアニシモ。ごくごく小さい音を表現しようとするとき、電子ピアノでは音が鳴らないことがある。それが鳴るような強さに指を慣らしてしまうと、今度はアコースティックピアノを弾くときに音量に驚いてしまったりする。難しいものだが、感覚を忘れないためにも、やはりときどきはこうやってアナログなピアノを弾きに来た方がよさそうだ。

2007年04月13日

インドの風

晴れた日がずっと続いていたが、今朝はどんよりとした曇り空。風も何だか強い。4時頃にはゴロゴロという音が聞こえ始め、やがて驟雨が降ってきた。雷鳴を聞いたのは、今年に入って初めてかもしれない。また一歩季節が進んだ前に進んだ感じだ。

今日は炊飯をセットしていかなかったため、大学の喫茶で夕飯をすませていくことにする。今日のメニューは
○インドの風
○グローバル、みたいな……
○皿だ!うどん
の3本。カレーっぽければインド、いろいろ混ぜればグローバルというわけか。相変わらず適当な名前である。インドとグローバルは両方とも「シェフの気まぐれ定食」の食券を持っていくので、カウンターでどちらにするのか言わないといけないのだが、「すみません、『インドの風』ください」とは言いにくく、「えーと、カレーの方の……」などと言ってごまかしてしまうのだった。

2007年04月11日

コメントスパム対策

ブログをしばらくやっているとどうしても増えてくるのが、コメントスパム・トラックバックスパムの類である。ちゃんと対策をしておかないと、わけの分からないコメントやトラックバックがあっという間にくっついて大変なことになってしまう。最初のころは大したことはなかったのだが、今年に入ってからだんだんと数が増え始め、先月末くらいからはコメントスパムが膨大な量になってきた。どうやらスパマーの標的リストに載ってしまったようだ。書かれたそばからすぐに削除していたのだが、数分に1回というペースになってくるともうどうしようもない。いい加減に抜本的な対策を立てないとと思っていた。

スパムの類をはじく手段として一番素朴なのは、発信元のIPアドレスをアクセス禁止にすること、またスパムに特有のワードを抽出し、それを含むものを書き込み禁止にすることであろう。このブログはMovableTypeというツールを使っているが、MTには最初からSpamLookupというプラグインが付属しており、これを使うとこうした基本的な防御対策を講じることができる。当初はこれで何とかなっていた。さらにSpamLookupは、受けつけたトラックバックの発信元IPアドレスと発信元ブログのIPアドレスを比較し、異なっている場合はスパムと見なす。これにより、トラックバックスパムについてはほぼ100%の確率で除去することに成功している。問題はコメントスパムの方だ。発信元は別のマシンを踏み台にしてくるので、それをアクセス禁止にしても何の効果もない。トラックバックのように発信元ブログがあるわけでもないから、チェックする手段がないのである。さて、どうするか。

対策を取っている人の記事をいろいろ見て回ってみたが、大まかに分けて3つあるようだ。
1. 日本語(2バイト文字)を含まないコメントをすべてはじく
コメントスパムはほとんどすべてが海外からのものである。したがって日本語の文字が一字も含まれていないようなコメントをシャットアウトすれば、コメントスパムをほぼ完全に防止できる。これは安直だが非常に効果的なやり方だ。ただ、アルファベットのみのコメントは一切認めないというのは、ちょっと不安が残る。スパムでないコメント投稿者がいる可能性もゼロではないからだ(日本人であっても、海外で日本語を打てない端末からローマ字で書き込むということもあり得る)。それに、鎖国するようで狭量な感じがしてしまうのは否めない。
2. SCodeプラグインの導入
これはコメントフォームにランダムな数字を画像で表示し、その数字をコメント投稿者に打ち込んでもらうことで、手動で送信されたコメントとスパムロボットが送信したコメントを区別するものである。確かにこれでスパムは防げるが、コメント投稿者に妙な数字を入力させるという手間をかけさせてしまうのが欠点。
3. KeyStrokesプラグインの導入
これは、コメントスパムを送りつけるプログラムがCGIファイルに直接アクセスしてコメントを書き込もうとすることに着目し、ブラウザの「投稿」ボタンを押さないとコメントが書き込めないようにするものである。これなら投稿者にも負担がかからないし、普通のコメントとコメントスパムをしっかり区別できる。というわけで、このやり方を試してみることにした。

設定をした直後から、コメントスパムがぴたりとやんだ。まあこういうのはいたちごっこだからいずれまた防御ネットを破られるに違いないが、しばらくはこれでいけそうだ。普通のコメントはこれまでと何ら変わらずに書き込めるはずだが、もしうまくいかないという方がいらしたら、メールでご連絡いただければと思う。

2007年04月10日

2年目の非常勤

今日からまた非常勤講師が始まる。講義は夕方なので、午後になってからH大に向かった。高速道路とパイバスを走って小一時間の旅である。うちのマンション前の桜はさすがに葉が目立ち始めたが、H大周辺はさらに寒いので、キャンパス内の桜はまだまだ最後の晴れ姿を見せていた。先月末に実家に帰省していたときにちょうどあちらの桜が満開になったので、今年は何だかずいぶん長い間満開になっているような錯覚を覚えてしまう。まだ講義までには時間があったので、共同研究をしているI先生の部屋にお邪魔して、今後のことなどをいろいろ相談した。

講義は昨年と同じだからもう慣れているつもりだったが、いざしゃべり出してみると、最初はなかなか言葉が出てこなくて困った。1年生なので、気味が悪いくらいに静かなのである。何を言っても明確な反応はなく、一方で黒板に一言書くと一斉にメモをとる音がかさかさと教室全体に響く。そんなに真面目に聴くほどの講義じゃないですよ、と申し訳なくなるくらいだ。まあ1ヶ月もすれば、すっかり様相は変わるだろう。

終了後、H大に勤めるT君と合流して久しぶりに一緒に夕飯。去年もそうだったが、H大での非常勤はこれが密かな楽しみ。

2007年04月09日

会話型将棋プルーフゲームの興隆

ある局面を提示して、指し始めからその局面までの棋譜を問うプルーフゲーム。それの変種として、その将棋についての会話から棋譜を考えてもらうというスタイルを考え、会話型将棋プルーフゲームと勝手に名付けた。はと言えば、チェスサイトのクリスマスの企画でそんな趣向の問題が出ていたのを見つけ、「将棋でもできるだろうか」とふと思ったのが始まりだったのだが、その後思わぬ盛り上がりを見せることになったのは、やはり高坂さんが新作を送ってくれて、それを当ブログで紹介できたことが大きい。これで解いたり創ったりしてみる人が一気に増えた。いい作品は人を惹きつける。

この変種PGに興味を持った人たちは、現在某大手SNS内に専用のコミュニティを作っており、そこで試作品を発表している。そこで出た指摘や感想を元にさらに推敲することで、相当レベルの高い作品が次々に生まれているのだ。最近は高度になりすぎて、私自身は何だかもうついていけなくなってしまいつつある。かずひでさんの一連の傑作はその最たるもの(昨日掲載された作品も名作と思う)だが、それ以外にもかなり面白い作品が上がっているので、作者の許可を得てここに転載しておこうと思う。作者は詰将棋の解答強豪としても知られるミニベロさん。将棋のルールを知っている方なら誰でもトライできるので、興味と時間のある方は是非。


いつものPG将棋センターでの話です。

「いやぁ参った。18手で詰まされちゃったよ」
「どんな将棋だったの」
「王手が9回、不成が4回あったな」
「終盤の魔術は出なかったの」
「実は、16手目の王手にどう応じても18手目で詰まされる順が見えたんだ。口惜しいからやけくそで逆王手してやったよ、間違いを期待してね。だめだったけどね」
「分かった。敵さん『とどめはどの駒にしようかな』なんて言ってたんだろ」
「いや、最終手は一つだよ。他の手ならもうひと粘りのつもりだったから」

さて、どんな手順だったんでしょう。



ミニベロさん作をもう一問。


いつものPG将棋センターです。

「参ったよ。20手で都詰にされちゃった」
「それは屈辱的だね。どんな将棋?」
「王手11回、正確には12回かな? 歩と玉と飛車角しか動かない将棋だった。駒を成る手はなかったな」
「??華麗なる空中戦だったんだね」
「こっちの飛車は動かない飛車落状態だったけどね」
「すかし詰に対する無駄合クソ粘りはしなかったの?」
「それ聞かないでよ」
「その前に詰まされた、というわけか」

さて、どんな将棋だったのでしょう。



2007年04月08日

選挙と桜

今日は訪ねてくる人もなく、お昼過ぎまでのんびりできた。3時を過ぎてから、重い腰を上げて選挙に行く。投票所はすぐ近くの小学校。前回の国政選挙のときはちょうど東京に行っているときで、区役所の出張所で期日前投票をしたので、実はこの小学校に投票しに来るのは今回が初めてである。体育館の入口脇で、中年の夫婦が立っていた。奥さんがバッグの中を引っかき回していて、その横で夫が「はがきは私持ってくてお前言うたじゃろ!何やっとんじゃ、ったく!」などと怒っている。多分全く同じような光景が、あと100くらいの全国の投票所で展開されているんだろうなあと思いつつ、中に入った。あれ、受付はどこだ?いきなり投票箱が置いてある……と思っていたら、「ここは出口ですよ」と言われてしまった。入口は体育館の反対側であった。多分全く同じ失敗をする人が、あと1000くらいの全国の投票所にいるに違いない。

CherryBlossoms2.jpgCherryBlossoms1.jpg投票をすませ、スーパーで買い物をしてから、近くの公園でジョギングをしてきた。ジョギングルートの脇に植えられた桜は、今が満開である。せっかくなので、携帯電話を片手に握りしめながら走り、ときどき立ち止まって写真を撮っておいた。あいにくの曇り空ではあったが、これだけ咲いているのに花の下に陣取って宴会をしているような人が皆無なのは、ちょっと不思議な気もする。散歩しながら花を愛でている、家族連れや老年の夫婦とときどき行き違うだけだ。結局のところ、これが本来の花見というものなのだろう。

2007年04月07日

煙探知器検査

また慢性的な寝不足状態が続いていたので、今日はお昼までベッドに潜り込んでいたい気もしたが、そうもいかない事情があった。部屋の天井にある煙探知器の検査をする人が、10時から11時の間に来ることになっていたのである。そんなわけで、居間に散らかった衣類などを片付けて、10時には受入態勢を整えていた。

ところが、一向に来ない。11時どころか11時半を過ぎても来ないので、今日は中止になったのかと勝手に判断してパスタをゆで始めた。そのパスタを食べている12時半頃になって、ようやくチャイムが鳴る。どうも検査のおじさんとマンションの管理人側で何かの行き違いがあったらしく、おじさんが一人で大量の住宅を回らなければいけない羽目になったようだ。おじさんは行く先々で「遅い」と怒られて相当ストレスがたまっていたようで、うちの検査が終わるころに携帯電話で怒りをぶつけ始めた。
「今603号室やりよるよ!今朝になってあんな言うけぇ終わらんじゃろ……そんなん知らん、それはそっちの責任なんじゃけぇ、日ぃあらためますいうお知らせまた出すなり何なりしたらええじゃろが!」
何で俺が怒られなければならんのじゃ、という不満がありありのおじさんを刺激しないよう、かなり多めに「お疲れ様でした」を連発して送り出したのであった。

午後は主にピアノを弾いて過ごす。夕方から市街地に出かけ、買いそびれていた近代将棋と将棋世界の最新号を購入。将棋世界にそろそろH君の作品が出ているのではないかと期待したが、残念ながらまだの様子。来月に期待しよう。

2007年04月06日

新学期らしく

寒い日が続いたせいか桜の進行は遅いようで、まだ散る気配がない。明日と明後日はきっと花見であちこち混雑することだろう。

入学式に続いて各種のガイダンスも始まり、だいぶ新学期らしくなってきた。食堂はいつも混雑している時間帯を避けて11時半頃に行くことが多いが、今の時期だけはこの時間帯でも妙に人が多い。しかもときどき耳に入ってくる会話が「俺、○○高から来たんだ。君は?」とか、微笑ましく感じるほど初々しい。これが5月の連休明けくらいにはもうすっかり変わってしまうのだから不思議なものだ。

今日はうちの講座に所属することになった4年生に講座のサーバのアカウントを発行。セミナーで読む本を決めるのは来週にするようだが、しばらくは就職活動の方が大変だろう。

2007年04月05日

合奏について

車の中ではずっとショーソンのコンセールをかけていたが、最近はリストのオペラ・トランスクリプション集に変えた。「リゴレット・パラフレーズ」や「ファウスト・ワルツ」など、華麗な演奏効果を持った曲ばかりだ。学生のころ、ピアノサークルの同期にはこうした曲を完璧に弾く人たちがいて、自分が決して到達できないであろう高みにいる彼らをいつもうらやましく思ったものだ。以前紹介したU君が1年生のときに弾いたリゴレット・パラフレーズなどは、それまでああいう曲はピアニストしか弾けないのだとばかり思っていた新入生の私がショックを受けるのに十分な名演だった。

とはいえ、こういう曲を自分が弾けないのは単に技術的、能力的な障害がすべてであるが、ショーソンのコンセールなどはさらに合奏するメンバーがいないという問題がある。ヴァイオリンソナタやチェロソナタくらいなら、もしかしたら何かのきっかけで誰かと共に演奏することがあるかもしれないとまだ思える(現実にはこれも厳しいが)。しかし、ヴァイオリン弾きが3人にヴィオラとチェロ弾きがそれぞれ1人ずつ集まってきて6人で合奏するなどということになると、これはもう自分のこれからの将来でまず起こり得ないと言わざるを得ない。やはり自分がピアノの入った曲を聴いているときは、自分がそれを弾いていると妄想することによって曲に没入することが多いだけに、残念な気がする。

学生時代、連弾やピアノ2台での演奏を何度か経験したが、練習の過程も含めて、やはりあれはソロとは違う楽しさがあった。当分は無理な話だが、またいつか合奏を経験したいとはいつも思っている。

2007年04月04日

すごい政見放送

昨日にもまして寒くなった。お昼頃には雪まで降る始末。東京でも降ったらしいが、こういうのは2月あたりのもっとあるべきころに来てくれないと調子が狂ってしまう。

今度の日曜日は統一地方選挙がある。ここ広島では県議選、市議選、市長選があるが、注目度の高さではやはり都知事選が一番だろう。主要な候補者以外に毎回個性的な立候補者が現れることでも知られている。今回もすごい人がいるという話は聞いていたのだが、たまたまその人の政見放送がアップされているのを見つけてしまった。うーん、これはすごい。撮影しているカメラマンや冒頭で経歴を紹介しているアナウンサーも大変だっただろう。このオリジナルだけでも凄まじいインパクトなのに、さらに映像を加工したりBGMをつけ加えたりしている人がいるのには笑ってしまった。一番だと思ったのはNHK「映像の世紀」風に加工した映像。こうされてみると、もう第二次大戦前後の歴史的な演説の映像を見ているとしか思えなくなってくるではないか。劣化させた音声がまたリアリティを感じさせて素晴らしい。あの番組は歴史の重みを感じられて好きだったのだが、実は自分はこのテーマ曲を聴くと何であろうと歴史の重みを感じてしまうのではないか、とちょっと複雑な気分である。

2007年04月03日

詰パラのすゝめ

昨日と比べるとずいぶんと寒くなった。桜が少し長持ちしそうだ。

すでに届いている詰パラの4月号を見ていたら、「会員の増加運動」というページがあった。購読者を増やすために、個人のウェブページやブログを持っている人はPRに協力してほしいとのことなので、当ブログでも及ばずながら活動に参加しておこう。詰パラに関心を持ち、実物を見たい方はメールにて全詰連の門脇氏に住所氏名と紹介を見たウェブページを書いて送れば、詰パラの見本号を1冊無料で進呈するとのことである。申し込みは
kadowaki[at]dn.catv.ne.jp  ("[at]"を "@"に置き換えて)
まで。

実際のところ、一般書店では限られたところにしか置いていないから、購読していないのは単に存在を知らないから、という人も結構いるのではないかと思う。マニアックな雑誌には違いないが、詰将棋に特化した専門誌は現在これだけだし、将棋は好きだけど詰将棋だけというのは……と尻込みしているあなたも、だまされたと思って一度取り寄せてみてはいかがだろうか。至極簡単な3手詰から載っているから、あまり棋力に自信がなくても十分楽しめるはずである。そしてちょっと難しそうな作品にトライし、うんうん悩んだあげくスパッと正解が脳裏にひらめいた瞬間の爽快感を味わってほしい。それを体験できれば、あなたはもう一流の「詰キスト」である。

2007年04月02日

新年度スタート

先週の頭に帰省するときは一輪も咲いていなかったマンション前の桜は、すでにほとんど満開に近い状態になっていた。昨日は全国的に気温が高かったようだから、開花が一気に進んだものと見える。しかし今日は桜以上に黄砂が気になった。ほんの数十メートル離れたところにある物も薄ぼけてみるし、遠くの山などはほとんど見えなくなってしまっている。関東に住んでいたころは、「今日は東京でも黄砂が観測されました」とお天気のお姉さんが言っても、全然実感が湧かなかったのものだ。広島がより西側に位置するせいもあるだろうが、やはり視界を遮るものが少なくて遠景まで見渡せることが大きいのだろう。

今日は出勤してからもいろいろあった。新年度から学部組織が大きく変わる関係でうちの講座の教授が研究室を急遽移ることになり、先月その引っ越し作業を手伝ったばかりなのだが、今日になって「引っ越した部屋は別の講座の先生が入ることになったからまた別の場所に引っ越す」と連絡が入り、お昼過ぎからは再び机やら本棚やら本でいっぱいの段ボール箱やらを持って右往左往するはめになった。実家に帰省中もそんなことをしていたし、ここ1ヶ月間は肉体労働ばかりしている気がする。まあ学部を大幅に改編したのだ、これくらいのバタバタはあって当然だろう。もう一回くらい引っ越し作業があっても驚かない。

さらにその後は着任した新任の先生の部屋にお邪魔し、コンピュータ関係の環境整備。アカウントを発行したりメールや印刷の方法について説明したり。今日は研究は1秒もしていないが、仕事はずいぶんした気がする。

2007年04月01日

April Fool

午後2時過ぎに小田原を出る新幹線で広島に戻る。名古屋までの「ひかり」もそこから先の「のぞみ」も、どうにか座席を確保することができた。車内では主にプロパラの問題を解いていた。新幹線に何時間乗っていても解けないときは全然解けないのだが、今日は幸い進展があった。

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喉が渇いていたので、車内販売のお姉さんが来たときに呼び止めた。
「すみません」「はい」「ミネラルウォーターありますか?」
「はい、5000円になります」「じゃ50本ください」
というわけでまとめ買いすることができた。今は新幹線の中で生活必需品が買える。全く、便利な世の中になったものだ。

7時頃帰宅。エクセルで簡易の家計簿をつけているので、今日買ったミネラルウォーターの分を早速つける。光熱水費がちょっとかさんできて、この1年で500万くらいになっているが、まあ必要経費だから仕方がない。水がなければ人間生きていけないのである。