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ピアノと長い指

この間チェスを指したとき、感想戦をしていたら相手の方に「あの、もしかしてピアノを弾かれるんですか」といきなり聞かれたのでびっくりしてしまった。何で分かったのだろうと思ったら、「指しているときに指が長いなあと思ったもので」とのこと。指の長い人が必ずしも鍵盤楽器をやるとは限らないし、ピアノを弾いていると指が長くなるわけでもないだろうから、あまり因果関係はないような気もするのだが、とにかく見事に当てられてしまったのだった。

実はこういうことは初めてではない。高校生のころからぐらいだろうか、初対面の人などに「指が長いですね」とか「手がきれいですね」などとよく言われるようになった。「手タレになれる」なんていうのもあった。自分ではそれまではまるで意識したことがなかったので、言われるほどだろうかと不思議に思ったものである。多感な高校生のときは、男で手がきれいなんて、とむしろマイナスの特徴だと感じていたくらいだが、最近ではさすがに言われて悪い気はしない。とはいえ今でも、人とそんなに違うだろうかという気はする。

今でも覚えているのが、高校の化学の実験のときのことだ。いくつかの班に分かれて実験をするのだが、その日は多分金属イオンの色を確認するという作業をしていたのだと思う。私が液を入れて試験管を細かく振ると、中の液体の色がさっと青緑色に変わった。「あっほら、きれいだよ」と言ったとき、向かいで見ていた女子生徒が
「うわっ、何ちょっときれい……その手!」
いや見るのそこじゃねえだろ、と反射的に突っ込んだのは言うまでもない。

指が長いとピアノを弾くのに有利だろうと思われがちだ。私の手だとどうにか10度が届くくらいだが、確かに一オクターブもつらいような手だったらかなり大変だろうとは思う。しかし、一オクターブ程度が限界という手でピアニストになっている人はいくらでもいる。アシュケナージやラローチャは多分私より手が小さいが、彼らの弾くラフマニノフやアルベニスは、手の小ささなど微塵も感じさせない。結局、努力と才能の問題であろう。

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コメント

確かにアシュケナージは、あの小柄な体と手で、よくあれだけ充足したフォルテが出せるものだと思いますね。ラフマニノフの音の絵なんか、切れ味最高です。

スクリャービンも手が小さかったそうですが、彼のピアノ曲にそんな雰囲気は微塵もありませんね。たとえば8の12とか。

スクリャービンの左手の音域の広さは異常ですね。
リストの編曲ものを練習しすぎて右手を傷めてしまい、
その分左手を酷使する曲が増えたという話ですが。

似たような(関係ないような)話ですが、新ヶ江さんはコントラクト・ブリッジをやっていて「もしかして四銀詰の新ヶ江さんですか?」と聞かれたそうです。
相手の名前は知らない人だったそうです。

へえ、新ヶ江さんはコントラクト・ブリッジもされるんですか。
しかしまあ、知らない人に聞かれるほど四銀詰のインパクトは強烈だったということでしょうね。
しかも苗字が変わっていらっしゃるから、いやでも記憶に残ります。
こうやって作品とともに覚えられるというのは、作者冥利に尽きるでしょうね。

はじめまして。手の小ささのことが書いてあったので書き込みさせていただきました。

私も女性ですが、手がとても小さいです。左手は17.7センチくらいしか開きません。(涙)

こんな手で、リストの「婚礼」をレッスンで弾いていますが、かなり無理しています。曲によっては弾き方の工夫で何とかなる曲もありそうですが、この曲はどうにもなりません。

左手オクターブ連打ですから、指を限界まで広げたまま約1ページ我慢大会しているようなものです。当然、負担もかかるし、隣の鍵盤を押してしまったりでまともに弾けません。

技術的な問題なら仕方ないですが、手の大きさの問題でどうにもならない曲もありますね。

こんにちは、書き込みありがとうございます。
そうですね、オクターブを連打するような曲は、
それが精一杯という大きさの手だと本当に大変でしょうね。
私も10度がずっと連続する曲をやろうとしたことがあって、
そのときにこれはつらいなあと実感いたしました。

「婚礼」というと「イタリア」の1曲目のやつでしょうか?
いい曲ですよね。是非是非頑張ってください。

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