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演奏会プログラム

27日の演奏会のプログラムが発表された。場所は阪急六甲駅から徒歩5分の「里夢」というホール、開演は午後1時。私は第4部の最初で4時過ぎらしい。入場無料、途中からの出入りも自由なので、当日お暇な方は是非。

ScriabinOp2-1.jpg演奏予定のスクリャービンの練習曲について一応紹介しておく。曲はいずれも3分前後の小曲である。練習曲Op.2-1はスクリャービンがまだ14歳のときの曲。技術的にはまだおとなしいが、すでに郷愁あふれるロシア的な旋律は一級品である。スクリャービンのメロディーはとにかく上へ上へと上っていこうとするが、その萌芽をここに見ることができる。また、主旋律の途中で左手に現れる旋律が再現部では細かく砕かれて現れるが、これも後々までスクリャービンの作曲手法としてきわめて頻繁に登場するやり方である。

スクリャービンが23歳のときに出版された「12の練習曲Op.8」は、彼のピアノ曲の中でも重要な位置を占めている。まだショパンの影響が色濃く見られるが、ポリリズムやクロスフレーズ、極度に音域の広い左手など、すでにスクリャービンならではの書法も登場しており、彼独自の世界が構築されつつあることを実感できる曲集である。

ScriabinOp8-5.jpgScriabinOp8-4.jpgOp.8-4はポリリズムのための練習曲。左手3(または4)対右手5の組み合わせで進行する。中間部はこれが逆転して左手が五連符を奏でる。最後まで繊細で優雅な曲である。一方Op.8-5は和音とオクターブのための練習曲。冒頭の指示には "Brioso"(快活に、生気あふれて)とあるが、音域の跳躍が激しく、指示通りに演奏するのは簡単ではない。後半の再現部ではパッセージが3連音符に砕かれ、なおいっそう難しくなっている。Op.2-1の紹介でもふれたが、このようにフレーズを再現部で細分化するのはスクリャービンが好んだ手法の一つである。

ScriabinOp8-12.jpgScriabinOp8-11.jpgOp.8-11はロシア的情緒漂う一曲。曲調はOp.2-1と若干似ており、陰影深い和音の伴奏に乗ってもの悲しい旋律が流れる。変ロ短調という調といい下降する旋律といい、この曲はスクリャービンというよりラフマニノフのイメージを感じる。個人的には、この曲はスクリャービンが友人でありライバルでもあったラフマニノフのやり方で書いてみようと試みた結果なのではないかという気がしている。そして最後はOp.8-12。スクリャービンの練習曲中でもOp.42-5と並んで有名な曲である。ショパンの「革命」を意識していることは明らかだが、私は「革命」よりこちらの方が好きである。

以上、ごくごく簡単な曲目紹介であった。なお、明日から金曜までは城崎に出張の予定である。ネット事情があまりよくないところであるうえに滞在中は集団生活を強いられるので、ブログの更新は毎日はできないかもしれない。金曜日に城崎から直接神戸に回るつもりである。

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