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ハフのピアノアルバム

ここ数日は、スティーヴン・ハフ(Stephen Hough)というピアニストの弾いているピアノアルバムを聴いている。もうこれを買ったのは10年以上前のことになるが、今でもこうやって聴き続けて飽きることがない。2枚組(私が買ったときはまだ1枚ずつバラ売りされていた)でそれぞれ20曲ずつ、隠れた名曲ばかりが演奏されている。親しみやすくて華があり、アンコールピースにはぴったりの曲ばかりだ。

確か初めて聴いたのは、私がまだ大学の1年生か2年生のときだった。ピアノサークルの先輩たちから強く勧められて買ったのだが、MacDowellとかde SchlözerとかLevitzkiとか、曲目リストに並んでいるのは当時の私が全く聞いたこともない作曲家の名前ばかり。最初はかなり怪しげな印象があったように思う。だが数回聴くうちに、そうした訝しさはどこかに飛んでいってしまった。世の中には全く知られていなくとも、実はこんなにいい曲がたくさんあるのだということを認識させてくれた2枚だったといえるだろう。

学生時代の9年間にピアノサークル主催の演奏会には何度となく出演させてもらったが、一度だけアンコールを弾いたことがある。もちろんそれは私の演奏がよかったからではなく、単に当時のサークル内の年長者ということでその日のプログラムのおしまいに配置されていたため、形式上拍手が少し長くなっただけに過ぎない。まあ要するに、日本的年功序列社会の恩恵にあずかったというわけだ。そのときに弾かせてもらったのが、ハフのピアノアルバムに収録されていた "Now sleeps the crimson petal"。テニソンの詩をロジャー・クィルター(Roger Quilter)が歌曲にし、それをハフ自身がピアノソロのために編曲したもので、しっとりした抒情が実に美しい曲である。あのときあの曲を選んだのは正解だったと今でも思っている。

CDを聴いているうちに久しぶりにまたちょっと弾いてみたくなって、昔蒐集したレア楽譜の束をさっきひっくり返していたのだが、量が膨大でどこに行ったか分からなくなってしまった。ピアノマニアの中にあっては私のコレクションなど全く大したことがないが、それでも自分でも思い出せないようなわけの分からない楽譜が次から次に出てくる。一度時間をとって整理した方がよさそうだ。

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コメント

私も以前ハフの編曲した「My favorite things」が目にとまり、衝動買いした記憶があります。なかなか手がこんでいて、結局まだものにできていませんが・・・。

ところでブログ3年目突入、おめでとうございます。これからも楽しみにしております。

"My favorite things" は難しいですよねえ。
フレーズが有名で一般受けしそうなのでやってみたくなるのですが、
学生時代に先輩が挑戦したのを聴いて、これは自分が手を出してはいけないなと思いました(笑)。
ハフの編曲ではフランクのコラール第3番を弾きたくて、ときどき譜読みしています。

ブログはいつまで続くか分かりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。

通りすがりです。「Levitzki ピアノ」でヒットしました。

スクリャービンOp.2-1 聴かせていただきました。
感動的な演奏でした。看寿賞とられるだけあって常人離れした感性が伝わってきました。
14歳のスクリャービンの天才ぶりにもあらためて思いふけられさせられました。

最近 You Tube に自身の演奏をアップしました。
演奏会の一場面として淡々と弾いていますが、お聴きください。

「Levitzki ピアノ」でもヒットすると思います。

コメントありがとうございます。
ピアニストの方に私の拙い演奏を聴いていただいたとはお恥ずかしい限りで、大変恐縮しております。

YouTubeの演奏も拝見させていただきました。Levitzkiをよく採り上げておられるのですね。
こういう隠れたいい曲がもっと弾かれるようになることを期待しております。

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