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握り詰の話

今、握り詰の課題が発表されている。握り詰とは、駒箱に手を入れて駒たちをえいっと適当につかみ、たまたま手の中に入ってきた駒たちを使って詰将棋を創作するというお遊びのことだ。ただでさえ創るのが難しいのに、使える駒が指定されてしまうのだから、これはもう相当の難易度である。しかし世の中にはすごい人がたくさんいるもので、どういう駒の組み合わせが与えられても、あっという間に作品をこしらえてしまう。それもただ詰将棋として成立しているというだけでなく、解く人を感心させるようなテーマがちゃんと入っているのだ。私には逆立ちしたってできそうもない芸当である。毎年この時期になると、どなたかが握った握り詰の課題が発表され、腕に覚えのある詰将棋作家が我こそはと投稿する。そして7月に行われる詰将棋全国大会においてエントリー作が発表され、参加者の投票でその年の優秀作が選ばれるというのが、毎年恒例の行事になっているのである。

さて、問題はその課題だ。今年は何と、玉・飛・桂・香3・歩6という組み合わせ。金銀はおろか角もないというのは、多分この催しでは初めてではないだろうか。これは相当難しい。いや、ただ創るだけなら何とかなるだろうが、面白いものを創るのが難しいのである。もちろん私はできるわけがないが、名に聞こえた猛者たちも今回は苦労しているのではないかと思う。もっとも、こういう難条件でも結局うまく操ってしまうのが一流の詰将棋作家なので、来月の投稿作発表を見るのが今から楽しみではある。

ふと思い立って、うちにある詰将棋データベースでこの駒たちをちょうど使用している作品が過去にどれだけ発表されているかを検索してみた。収録作品数111,766題の作品の中で、該当したのは……たった1作!「詰棋界」昭和30年6月号に掲載された、沢島将吉氏の27手詰の作品だけだった。角・金・銀がないということは、玉以外は成らない限り誰も斜めに動けないことになるわけで、やはりかなり特殊な世界になってしまうようである。もしできたという方がいらっしゃれば、是非詰パラ編集部に投稿されることをお勧めする。締切は今月20日。

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コメント

 沢島氏の作品は野口文庫の詰棋界のアンソロジーに出ていたので、直思い出しました。
 全国大会は参加確定ですか?私も確定しているのですが、スカイマークの飛行機で行く予定なので、欠航になってたりして、、、。

今年の全国大会は博多ということで広島からは比較的近いこともあり、
特に予定が入らなければ行くつもりでおります。
スカイマークも夏の書き入れ時までにはパイロットを確保するとは思うんですけどねえ……。

それにしても、いくらアンソロジーに入っていたとはいえ、
沢島氏の作品と聞いてすぐ思い当たるとは恐れ入りました。さすがですね。

昨夜、創棋会関係の小宴があり、握り詰は4~5作品あった模様。
しかし一人一作なので・・・、しかし複数の作品からチョイス出来るってのも凄いです。
噂では、東北の妖精賞作家の方が今年もトンでもない作品を創られているとか・・・?

僕も頑張らねば・・・
いざとなったら、現場の夕方休憩時に編集部まで行って、郵便受けに投函するという裏技もあるし。

何だかんだ言って、結局皆さんいいもの創るんですよねえ。
まあある意味では、今年のような特殊な駒の組み合わせのときしか
できないこともあるでしょうから、やりがいがあると言えるかもしれませんね。

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