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Benno Moiseiwitsch

ネットを巡っていたら、20世紀前半に活躍したピアニスト、Benno Moiseiwitschがワーグナー=リストの「タンホイザー序曲」を弾いている映像があるのを発見。実はこの映像はシフラのDVDを買ったときにおまけとして収録されていたのでよく知っているのだが、しばらく見ていなかったのでじっくり見入ってしまった。やっぱり何度見ても爽快である。曲が長いために前半後半に分けてアップロードされているのが残念だが、古き良き時代に「巨匠」と呼ばれたピアニストがどんな弾き方をしていたかを実感するために、これは一度は見ておかなければいけない映像だろう。特に、カメラが徐々に近づく後半部分の凄まじさは圧巻。最後の方など、ピアノを「弾く」というよりは「ぶっ叩く」といった方がしっくり来る。今の時代にこんな弾き方をしたら、ピアノの先生に怒られることは間違いない。恐ろしく高い位置から力任せに振り下ろすものだから、ときどきかなり派手に音を外しているが、そんなのだいたい合っていればいいだろうといわんばかりだ。実際、聴いている方にもそう思わせてしまう力がこの演奏にはあると思う。モイセイヴィチのような巨匠だからこれが許されるのだろうし、またこういう弾き方ができる人が巨匠と呼ばれるのだろう。これが撮影されたのは1954年で、モイセイヴィチはすでに65歳だったが、若いころの映像が残っていないのが実に惜しまれる。

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コメント

このタンホイザーは大好きです。
終わりにGood Night!と格好良く決めたいものです。

15分も凄まじい演奏を披露してから、
"Good night...et bonsoir!"
と涼しい顔で言ってのけるんですよね。
かっこいいもんです。

Benno Moiseiwitchの演奏をDVD「The Art of Piano」で見聞きしました。興味が湧いて検索をしていてこのサイトが見つかりました。DVDには30~40歳代のころの演奏が収められています。ナレーターが「ラフマニノフが自分より上手だと言った」と語っています。映像からも分かります。

書き込みありがとうございます。
"The Art of Piano" には比較的若いときの演奏も収録されているんですね。
Moiseiwitschなどの演奏を聴くと、やはり巨匠たちの黄金時代はすごかったのだなあと思わされます。

なお上の本文でリンクしたタンホイザー序曲の演奏映像は、残念ながらすでに削除されてしまったようです。

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