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ゴドフスキーの「ジャワ組曲」

今日はずっと楽譜の校正の仕事をしていた。実は現在、国内の出版社からゴドフスキーの「ジャワ組曲」の楽譜を出版する計画が進んでいる。原稿はすでにほぼできあがっていて、あとはその最終チェックをすればいい段階だ。出版計画の中心にいるNさんから、チェック作業を手伝ってほしいと数日前に打診されていたのである。過去に出版されたCarl Fischer版と見比べて、違っている箇所をリストアップすればいいとのこと。当初の話では、すでに何回もチェックしてあるからもうほとんど誤植はないはずということだったので気楽に考えていた。ところが、始めてみるとエラーがかなり出てくる。臨時記号やテヌートの付け忘れ、デクレッシェンドのずれ、不必要なメロディーライン指示線などなど……何せ相手が天下のゴドフスキー様の楽譜だから、読み解いていくのも容易でない。思っていたよりずいぶん時間がかかってしまった。あとで分かったが、予想よりずっと誤植が多かった原因は、今回の原稿がCarl Fischer版の初版を元に作られていたことにあるようだ。実はCF版はその後改訂版が出されており、こちらはその改訂版を使ってチェック作業を行っていたので、やたらに差異が見つかったのである。こういうことはやってみて初めて分かるものだ。

それにしてもゴドフスキーの「ジャワ組曲」なんて、10年くらい前だったらディープなピアノマニアしか知らない「隠れた名曲」だったはずだ。当時は楽譜を手に入れるのも大変だった。それが国内の出版社から出ることになったとは、全く隔世の感がある。あのころには知る人ぞ知る存在だったカプースチンの楽譜も、今や全音から出ている時代だ。ピアノ曲の楽譜を巡る環境はすっかり変わったと実感せざるを得ない。

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