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チェスと不正行為

チェスの世界では対局中にコンピュータをこっそり見る不正行為がもはや珍しくなくなりつつあるが、現在オーストラリアで行われている大会でもまた対局者がトイレでこっそりコンピュータにお伺いを立ているのがばれ、当然ながら追放処分になったそうだ。舞台となったのはオーストラリア・オープンに合わせて開催されているレーティング1600以下のプレイヤーを対象とした大会で、不正行為をしたのは14歳の少年だったという。棋譜とともにそのときの状況が公開されているのだが、ちょっと失笑してしまった。

CheatingGame.png1. e4 c5 2. b3 Nf6 黒、トイレに行く。3. e5 Nd5 4. Bb2 Nc6 5. Nf3 e6 6. g3 d6 黒、トイレに行く。 7. Bg2 dxe5 8. Nxe5 Nxe5 黒、トイレに行く。 9. Bxe5 f6 10. Bb2 Be7 11. f4 O-O 黒、トイレに行く。 12. O-O c4 13. Nc3 Bc5+ 黒、トイレに行く。 14. Kh1 Nxc3 15. Bxc3 Bd4 16. Bxd4 Qxd4 17. c3 Qc5 18. b4 Qc7 19. Qf3 Rd8 黒、トイレに行く。 20. Rad1 a5 黒がトイレで携帯型チェスプログラムを使っているのがばれて反則負けになる。 1-0

そんなにトイレに行ったらおかしいと思われるだろうということに考えが及ばないところが、まだ子供らしいというところか。しかもそこまでして頼っていたのがPSPのChessMasterだったそうで、苦労したわりにはばれた局面ではまだ形勢互角なのが涙を誘う。トイレに行くタイミングも手広い局面やちょっと意外な手を指されたときとほぼ一致しており、心理状況がよく分かる棋譜といえそうだ。

そういえば年末年始に届いていたプロパラの最新号を読んでいたら、編集長のWさんがこの夏に参加したチェスプロブレムの世界大会の報告記でこんなことを書かれていた。ある解答競技で、上位に入賞した強豪が「競技終了」のコールを無視して答案回収の直前まで解答を続けていたとして問題になった。またある解答者は、競技の開始前に裏向けて配られた問題用紙を手にとってすかし読みをしていたという。彼らの成績をどうするかで、Wさんは解答競技の様子を撮影したビデオを見させられたのだそうだ。こうなるともうまるで入学試験である。

チェスにしてもチェスプロブレムにしても、結局は娯楽。人に言うのも恥ずかしい手を指して頭に血が上ったり、誰でも解けるような簡単な問題が分からずに大恥をかいたりというような経験は、どうしても避けられないのだ。その悔しい気分までコミで楽しまなければいけない。というよりそれを経験するからこそ、たまにうまく指せたり解けたりしたときが楽しいのではないかと思う。不正行為のおかげでうまくいけばそのときは気分がいいかもしれないが、やがて楽しくなくなるのは時間の問題だろう。

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コメント

最近、詰将棋会合にて盲盤で2時間前に解いた作品が、他の方から「解けない」と言われて盤前に向かうと作意順を思い出せないし、解けないし・・・
結局、盤の向きを反対にして、他の作品の話をしていると思い出して、冷や汗をかきました。

こういった事があるから、会合に足を運ぶのが楽しくてしょうがないのかもしれませんね。

先日、百円チェス盤で娘と一局指しました。
コテンパンに負かしても良いのですが、チェスを好きになって指し続けて欲しいから、中盤でポカのフリをしてクイーンを只捨てし、引き分け寸前でチェックメイトを放置して負けてあげました。
娘はPC以外で指すのが初めてで、大変疲れた様子でした。

その気になればいつでもこてんぱんにできる……と思っていると、
ある日突然強くなっているかもしれませんよ。子供さんの成長はすごいですから。

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