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二つの残念なニュース

ニュースサイトを見ていて、残念なニュースを2つ見つけた。1つ目は、お茶の水のカザルスホールが来年3月をもって閉館するとの知らせ。まだ東京にいたころにカザルスホールには何度か足を運んだが、とりわけ印象深いのは何と言っても1997年12月11日と同14日行われたMarc-André Hamelinのリサイタルだ。にも書いたが、当時まだ一部のピアノマニアだけが知る謎のピアニストだったアムランを、その演奏に心酔していたメンバーが結集して招聘した。音楽事務所などを介さず、すべて自分たちで取り仕切ったのである。赤字でもいいから生で聴きたいと決行したプロジェクトだったが、半分以上売れれば御の字と思っていたチケットは2日間のリサイタルの両日とも完売。カザルスホールは満員になったのだった。私自身は仕事らしい仕事はしなかったが、それでもみんなと一緒に成田空港へアムランを迎えに行ったり、リサイタル当日にビデオ撮影を担当したりと得難い経験をすることができた。あのときの舞台となったホールがなくなってしまうのは何とも残念である。

残念なニュースの2つ目は、訃報だった。泡坂妻夫氏が亡くなったとのこと。この方はミステリ作家であると同時にマジシャンでもあり、作品のあちこちにマジシャンらしいトリックや遊びが隠されていた。高校生のころだったか、処女作の「11枚のとらんぷ」ですっかりハマってしまい、一時期はよく読んでいたものだ。「11枚のとらんぷ」は長編作品の中に短編集が挿入されるという作中作の構成で、しかもその短編集においてマジックのトリックが解き明かされるという面白いものだった。それ以外にも、登場人物や各章のタイトルがすべて回文という「喜劇悲奇劇」、本自体に仕掛けがしてある「しあわせの書」、以前エープリルフールのネタに使わせてもらった「魔術館の一夜」など、この人でなければ書けないような変わった本がたくさんあった。もう新作が読めないのは残念でならない。

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コメント

カザルスホールには私もnatsuo さんと似たような経験があります。この大学は今以上のどんな素晴らしい再開発を思いついたのでしょう。

あのホールは古本街の近くという場所もよかったし、東京に数あるホールの中でも気に入っていただけに、今回の閉館の知らせは残念でしたね。せめて取り壊さずにあの形で有効利用していただきたいものですが……。

カザルスホール
と、いうのは日本大学の中に
あるホールみたいですね。
行ったことはないのですが。
学生さんしか使えない
ホールじゃないんですね。
学生さん以外でも許可すれば
使えるかな。
来年の閉館までには
足を運んでみたいものですが。

でも、音楽事務所を通さず
自分で取り仕切る
コンサートを行った
アムランは素晴らしい
ピアニストですよね。
 

リサイタルを取り仕切った「自分(たち)」というのは、私を含めた招聘メンバーのことですので念のため。
アムランが素晴らしいピアニストであることに異論はありませんが。

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