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匹見町でパズルを買う

今日は友人のT君と車で島根県の匹見町というところまで行ってきた。ここは林業が盛んなところで、木製のパズル用品で町おこしをしているところなのである。地方の旅館などに泊まると、部屋によく「Tパズル」が置かれていることがある。4個の小さな木片を組み合わせ、T字形などのシルエットを作れというやつである。一度は見た人も多いのではないかと思うが、あれも匹見の製品だ。匹見町では、パズルの世界的なコレクターとして知られた芦ヶ原伸之氏(5年前に他界)の監修による難しくて魅力的なパズルがたくさん生産されており、せっかく近くに住んでいるのだから一度は行ってみたいと思っていたのである。

Hikimi2.jpgHikimi1.jpgT君を横川駅でひろい、1時間半ほどかけて山間奥深くの匹見町へと分け入る。気温は20度をちょっと超えたくらいのところで、日射しがやわらかく気持ちがよかった。道の駅でお昼をすませた後、まず車を降りたのがウッドパークというところ。公民館と併設された形になっており、中に入ると芦ヶ原氏のコレクションと思われる世界中のパズルが並べられていた。写真でしか見たことのなかったビル・カトラーや亀井明夫(いずれも有名なパズル作家)の芸術的で恐ろしく難しそうな木製パズルを、ここで初めて実際に見ることができた。パズルとしては明らかに世界最高峰の作品が並んでいるのだが、世間からは全く注目されていないようで、我々以外の来館者はゼロ。連休初日にしてこれだから普段の状況は推して知るべしである。すぐ前の広場では地元の方と思われる数人がグラウンドゴルフに興じており、我々が30分ほどかけてじっくり精巧なパズルを鑑賞している間、開け放たれた窓からはずっと「ああっ、惜しい!」「おおっ、チップインじゃ!」という歓声が聞こえてきていた。

Hikimi4.jpgHikimi3.jpgウッドパークを後にすると、今度はすぐ近くの「ウッドペッカー木工組合」というところに移動。ここは木材を加工してパズルを実際に製作しており、できあがった製品を買うこともできる。部屋に並べられたパズルはみんな面白そうで、どれを買おうか迷いに迷ったが、結局、「サイコロ」、「手古鶴」、「ミニチェッカー」、「ある半ブラの想い出」の4つと、桜の木でできた箸一膳を購入。「サイコロ」は店頭に見本しかなかったために店主に売り物がないか尋ねたところ、「今ちょっと作り置きがなくてね……」と言いながら店の奥から一品出してきてくれた。「これ、ここにちょっとキズがあるんですよ」と指さされた角のへこみは、言われなければ分からないほどの小さなものだった。「これ、定価は4,900円なんだけど、これでもよければ2,000円でいいですよ」とおっしゃるので、もちろん買った。パズルとしては何の問題もない。今回の匹見町遠征の最大の目的はここで面白そうなパズルを入手することだったが、いい買い物ができて非常に満足だった。ただここでも最初から最後まで他の客の姿はなし。店の向かいには巨大迷路なる施設があるのだが、家族連れとおぼしき数名が一組回っている他は誰もいる様子がない。一帯は静かで、聞こえるものといえば店番のおばさんがかけているらしいラジオの音と遠くの蝉の声のみだ。すぐ横の「ひまわり食堂」はカーテンが引かれているし、その横に掲げられた匹見町案内図は雨風に打たれてボロボロになっている。やはりパズルで町おこしをするというのは簡単ではなかったようだ。

OmoteHikimi.jpg出かけたのが遅かったのとパズルをじっくり鑑賞していたのとで、ウッドペッカー木工組合を出たときにはもう3時くらいになっていた。暗くなると山道が危険なのでそろそろ帰路に就くことにする。この一帯は表匹見峡、裏匹見峡、奥匹見峡と渓谷だらけで、せっかくなので帰り道の途中にある表匹見峡に立ち寄ることにした。道端に車を止めて険しい岩の道を慎重に降り、「お楽の滝」という小さな滝の回りをしばらく散策。水がとにかくきれいで、心の落ち着くいい場所だった。ここでも30分ほどの滞留中に他の人は全く現れず。もったいない話だが、誰にも邪魔されないのでこちらとしては助かる。たっぷり自然の景色を楽しんでから、4時頃に表匹見峡を後にした。

Puzzles.jpg夕飯をすませてT君を横川駅まで送り届けると、帰宅して早速買ってきたパズルを並べてみる。一部を紹介しよう。「サイコロ」は六面のそれぞれにサイコロの目の形で穴が開いており、中の空間に玉が入っている。サイコロの穴は中でつながっており、サイコロの向きを変えると中で玉がころころと動く。この玉をサイコロから取り出せというのがパズルの目的。ただし直径が玉より大きい穴は1の目だけである。もう一つ、「手古鶴」は枡にいくつかの木片をぴったり詰め込めというものだ。いくつか種類があるが、自分が買ったものは7個のピースと1個のペグを詰めるタイプ。枡の底に穴が5カ所開いており、そのうちの1つにペグを立てる。そして飛び出したそのペグを避けるようにして残りの空間がぴったり埋まるように木片を詰め込むのである。ペグを立てるポイントそれぞれにつき、木片の埋め込み解はただ1通りしかないらしい。いやはや、なるほどこれは、てこずる。

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