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2010年03月04日

部屋の掃除

先月中旬までの忙しい時期と比べると、最近はやや落ち着いている。今日も時間があったので、少し勤務先の自室の掃除をしていた。机の上はいたるところに様々の書類が積み重なり、冬の中国山地のジオラマみたいなことになっている。この調子だとさらに降り積もりそうなので、ここらで少し整理しておいた方がよい。来月になればそんな時間はなくなるに決まっている。出入りの業者が置いていったチラシとかずいぶん前の演習問題のプリントとか、明らかに捨ててよいものを分別するだけでもかなり山は低くなり、覆い隠されていた机の表面もだいぶ見えるようになってきた。まだ作業は道半ばだが、今月中には平野にできるだろう。

いっぱいになったゴミ箱を持ってゴミ捨て場へ。ゴミ捨て場は渡り廊下を渡った隣の建物にある。バサバサと紙の塊をはじき落とし、すっかり軽くなったゴミ箱を振り回しながら渡り廊下を戻る。歩きながら右に目をやると、サッカー場とその背後にある低い山が、垂れ込めてきた雲に一部隠されつつあるところだった。それを見ながらどういうわけか、中学生や高校生のころのシーンを断片的に思い出して妙な気分になった。確かにあのころ、自分はあのコミュニティの一員として毎日を過ごしていたはずなのに、そのとき周りにいたたくさんの人は夢のようにどこかへ消えてしまい、いつの間にか自分だけ一人残ってこんな渡り廊下の真ん中でゴミ箱を振り回しながら歩いているのである。当時と今この瞬間が自分を通じて連続的につながっているということが、何だか不思議に思えてきてしまうのだった。はて、何で自分は空のゴミ箱を手にこんなところを歩いているんだろう?渡り廊下を渡っている間、ぼんやりそんなことを考えるのが何となく楽しかった。

部屋に戻ってから、数学者の小平邦彦氏が書いていたことを思い出した。あれは「怠け数学者の記」だっただろうか、奥さんとスーパーに買い物に行って、たまたま売場で一人になったとき、はて俺はこんなところでいったい何をしているのだろうとふと妙な気分になった……というようなことが書いてあったような気がする(今は本が手元にないので若干違っているかもしれない)。大数学者と比べるのはおこがましいのだが、もしかしたら少しそのときの気分と似ているのかもしれない。