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2010年03月07日

ホロヴィッツを知らない音大生

先月に引き続き2台ピアノの練習をする。前回はIさんに来てもらったので、今回はこちらから神戸にお邪魔した。三宮の松尾楽器でラフマニノフの組曲を中心に弾いてみる。相変わらずの練習不足で、あまり先まで進めなかった。やっぱりこの曲は片手間にできるようなものではないので、何かやるにしてももう少しやさしいものにした方がいいかもしれない。

練習前にショールームで流されていたホロヴィッツの演奏映像をぼんやり眺めていたら、松尾楽器のおじさんが話しかけてきた。
「最近の若い人はねえ、ホロヴィッツを知らない人もいるんですよ」
「えっ、本当ですか?」
「そうなんですよ、音大生とかでもホロヴィッツ知らなかったりするんです。自分の弾いている曲にしか興味がないんですかねえ」
「へえ……もう歴史上の人物になっちゃっているんですかねえ」
「そうなんですかねえ。あそこの写真、あるでしょ?」
とそのおじさんが指さした先の壁には、演奏直後に喝采を浴びるホロヴィッツの写真が掲げてあった。
「あれ見て、『北朝鮮から帰ってきたジェンキンスさんですか』って言われて……似てますかねえ」
どう考えても似ていない。ジェンキンスさんがスタインウェイに手をかけてお辞儀しているわけがない。ホロヴィッツが死んでもう20年以上経ってしまったわけで、すでに遠い過去のピアニストという認識の人もだいぶ増えてきているのだろう。こんなところでも時間の経過を実感してしまったのだった。