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2010年03月17日

キャスリングとアンパッサン

FabelSteudel.pngこの間の問題について。問われているのは1手詰がいくつあるかであるが、要するにこの配置からキャスリングとアンパッサンについて考えればよいことになる。もし白がここでキャスリングできるなら、1.0-0-0#も解になるし、もし黒が直前で...e7-e5と指したなら、1.dxe6#とする手も解になるからだ。

まずキャスリングについて。これは白のPの様子から分かる。白のPは8個とも生き残っており、この配置になるためには黒の駒を14個取ることが必要になる。つまり生き残っているKとP以外の14個は、すべて白のPに取られたわけだ。そうなると、問題になるのは最初a7にいた黒のPだ。白の駒は1つも取られていないので、a列のPは列を変えることなく真っ直ぐ進んだはずだが、Pの配置から白による駒取りはa列では起きていないはずだから、それが白のPに取られるためには、一度他の駒に昇格しなければならない。だからa7のPはa1で何かに成ったことになる。これはすなわち、現在a1にいる白のRが動いたことがあることを意味する。したがって、白はキャスリングできない。

もう一つはアンパッサンである。これはつまり、黒がたった今指した手が何だったかを明らかにすればよい。まずd3やc5には白の駒が複数利いていることから、最終手はKを動かす手ではなかったことはすぐに分かる。だから黒はPを動かしたのだが、白は何も駒を取られていないのだから、Pはe7から来たか、e6から来たかのどちらかだ。ここで大事なことは、黒がPを動かす前に黒のKにはチェックがかかっていたということである。チェックをかけているのはh8のBだが、問題はどうやってBがKにチェックをかけるに至ったかということだ。こういうときによくあるパターンは「g7にいたPがh8の駒を取ってBに昇格した」というものだが、今はPが8個盤上にあるからそれはあり得ない。残された可能性は開き王手である。盤面をよく見れば、開き王手が行われたとすれば、それはf6にいた白のRがc6に移動したという可能性しかない。これが指されたとすれば、当然黒のPはe6ではなくe7にいたことになる。ゆえに、問題図の局面はアンパッサンが可能で、1.dxe6#も答えとなる。

以上より、1手詰は1.Rd1#と1.dxe6#の2つ、というのが答えであった。