Leonid Kubbel's Endgame Study No.176
1st Prize, Molot, 1928

駒箱をひっくり返して出てきたピースをそのまま並べたかのように、ガチャガチャと駒が散らばっている。しかし状況は見た目の印象ほど複雑ではない。盤面左下を見ると、白は次に1...Bxc3#の1手でメイトされる形になっているのだ。この詰めろを完全にほどいて逆転するにはどうすればよいだろうか?
1.d4
白の喫緊の課題はとにかく黒のメイトスレットを消すこと。しかし1.Bxf6?では1...d4がぴったりでメイトから逃れることができなくなる。
1...Nxd4
黒はNでPを取る。これで今度は2...Nc2#という新しいメイトスレットができた。
2.Ne1!
ここで白はNを捨ててしまう。一応メイトを防いでいるとはいえ、ただ取られるだけなので成算がなければ指せない手だ。
2...Bxe1 3.b4+
白のギリギリの手が続く。先ほどNを捨てたのは、黒のBを移動させてこのPを突けるようにするためだった。これはチェックだが、黒はチェックしているRを取ることができる。
3...Nxf3 4.Bxf6
今度はこのBでチェック。黒のNがd4から動いたためにこの手が可能になった。
4...d4 5.Bxd4 Nxd4 6.Rg3+
今度は奥にこもっていたRを出動させる。このRを世に出すために、g5にいたBを動かす必要があったのだ。しかし、これもすぐ取られてしまうが……。
6...Bxg3 7.Ba4!
次はこのBだ。黒はこのBを取ることができない。取れば虎の子のa2のPを取られてしまうからだ。
7...Bf2
さて、黒はここでどうすればよいか?普通に考えるなら、7...Be1としてまたメイトスレットを復活させるところだろう。実際、これでよさそうに見える。ところがこれに対し、白は 8.c8R!という手を用意しているのだ (もし8.c8Q?なら、 8...Nb3+ 9.Bxb3 Bc3+ 10.Qxc3 で黒のステイルメイトになる)。アンダープロモーションによって引き分けになるのを防げば、残った駒で白の勝利は疑いない。また7...Bxf4は単純に 8.h8Qと成って白の勝ちになる。そこで残ったのは、7...Bf2だ。
8.h8B!
今度はこちらのPを成るのだが、8.h8Q?だと 8...Nc2+ 9.Bxc2 Bd4+ 10.Qxd4 でまたまたステイルメイト。そこでこれを避けるためにBにアンダープロモーションする。これで白の勝ち。白が秘術を尽くして絶体絶命から大逆転を果たした。
1-0

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