Leonid Kubbel's Endgame Study No.298
Special Prize, Shakhmaty v SSSR, 1935

駒割で大きく差がついているわけではないが、白は2個のNがどちらも次の手で取られそうな状況になっている。何の代償もなしに取られてしまっては、挽回することは不可能だ。今の時点なら、最善を尽くせば白は勝ちを手中に収めることができる。さて、その手順は?
1.Nab6+!
まず、こちらのNを使ってチェック。
1...cxb6
もし取らずに1...Kc5と逃げると、 2.Be7+ Kc6 3.Nb4#で黒は詰まされてしまう。
2.Nxb6+ Kc5
ここでQを捨てて2...Qxb6+と取ってしまう手もあり得る。 3.Kxb63...a3と進めて次のQをつくろうという魂胆だ。これに対しては 4.Kc6!が好手 (4.Bf6?はよさそうでギリギリ逃れられてしまう。 4...a2 5.d3+ Kc3 6.Kc5と素抜く態勢をつくり、 6...Kxc2にも 7.Bxd4 Kxd3 8.Kd5でQをつくられることはない。しかし、 8...a1Q 9.Bxa19...Ke3と寄られてみると、白が勝てないことははっきりする) 。 4...a2に対して 5.Ba5 a1Q 6.d3#でメイトである。
なお、2手目で2...Kb4とするのもBを引いてすぐメイトになる。したがって、2手目では黒のKはc5に下がる一手である。
3.Nd7+
きれいにフォークがかかった。しかしまだ勝ちと決まったわけではない。
3...Kd5 4.Nxb8 a3
黒はこのPに期待をかける。
5.Nc6!
ただで取れるところへNを跳ねる。Pを進めたらもちろんフォークで取ることができる。
5...Kxc6 6.Bf6 Kd5
黒としては、白のBにa1の地点を押さえられてしまったら引き分けも望めなくなる。Bにd4のPを取られるわけにはいかない。
7.d3!
何気ない一手だが、これで黒のKの可動範囲を狭めているのである。
7...a2
あと一歩というところまで来たが……。
8.c4+ Kc5
他の手では、白のBにa1の地点を押さえられてしまう。
9.Kb7!
最後の決め手。
9...a1Q 10.Be7#
黒が念願のQ昇格を果たしたと思った瞬間、黒のKは捕まってしまった。白の一手勝ちである。
1-0

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