日本語で書かれたチェスの入門書

| コメント(6) | トラックバック(0)

最近、知り合いから日本語で書かれたチェスの入門書を紹介してほしいと頼まれた。実は和書にはそれほど詳しくないのでどうしようかと思っていたところ、偶然にもまさにその依頼を受けたその日に出たのが、「ここからはじめるチェス」という本だ。著者の渡辺さんはFM (FIDE Master) の称号を持ち、日本で一、二を争う実力の方である。書いた人が書いた人だからこれは間違いないだろうと思って知り合いには推薦しておいたが、薦めたからには見ておくべきだと自分も取り寄せてみた。まずページがオールカラーなのにちょっとびっくり。内容も序盤・中盤・終盤のそれぞれの局面において、入門書としては相当高度なことまで解説されている。特に中盤での考え方やエンディングの基本について、日本語でこんなふうにしっかりまとめられた本が出たのは、あまり前例がないのではないだろうか。3月の中国選手権でようやく公式戦が50局に達したばかりで、まだまだ初心者の域から抜け出せない自分にとっても、この本から得るところがかなりありそうである。

実は推薦できるチェスの入門書といわれてまず思い浮かんだのは、「ボビー・フィッシャーのチェス入門」だった。記憶が正しければ、これは私が子供のときに買ってもらった2冊目のチェスの本だったと思う(確か1冊目は日東書院というところから出ていた「チェス入門」という本だった)。ボビー・フィッシャーという名前はそのときに覚えたが、それがチェス界においてどれだけの存在感を持っている人かということを認識したのは、もちろんずっと後のことである。この本は構成が非常にユニークで、ほとんど自明と思えるような簡単な問題がひたすら並べられており、それを繰り返し解いていくと、いつの間にかバックランクメイトを中心とした詰めの感覚がかなり身についてしまうにできている。また、常にページの右側に問題が出ており、本の終わりまで行くと上下をひっくり返してまた右側のページを読んでいくようになっており、この独特の本の作りも小学生の私には面白くて仕方がなかった。相当古い本なのでもう入手は難しいのではないかなと思っていたら、何とこれも偶然、新装版が先月出たらしいことが分かってまたびっくり。一昨年には「チェス戦略大全」も出たし、ここ数年でチェスの和書というジャンルもだいぶ充実してきたように思う。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://monsieur.ddo.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/19

コメント(6)

日本語で書かれたチェスの入門書といえば、やはりお薦めは「シャーロックホームズの
チェスミステリー」でしょう。あとはプロパラかな。えっ、違うって(笑)

あっそうか、それを推薦するのを忘れていましたね(笑)。
あの本、もう絶版みたいですね。日本語でレトロが楽しめる貴重な本なのに、もったいないことです。

先日お借りした「シャーロックホームズのチェスミステリー」、むつかしいですが少しずつ読んでます。解説を読むと、目から鱗が落ちて解決!という爽快感がありますが、論理的に作題者の「企み」を暴いていく楽しみもなかなかのものですね。
これで入門書レベルですか。。。

入門書といっても、最後のモリアーティ教授に絡む問題は結構難しいですけどね。
スマリヤンの本はどれも面白いですが、この本はとりわけユニークだと思います。

 そうそう、「シャーロックホームズのチェスミステリー」には、一題不詰作
(作意不成立!)があるということを、老婆心からお知らせしておきます。
それが果たしてどれなのか、考えてみるのも一興かも。

へえ、それは知りませんでした。スマリヤンもうっかりミスをするんですね。
今はY君に貸しているので、彼に探してもらうことにしましょう(笑)。

コメントする

2014年6月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

このブログ記事について

このページは、natsuoが2010年4月19日 23:57に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「初見力」です。

次のブログ記事は「灰色の空」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.07