2011年3月アーカイブ

年度末

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今日は月曜日に引き続き、補習授業のフォローをする当番の日だった。非常勤の先生がまず一通り問題の考え方や解き方を説明し、すぐ学生たちに演習問題をやってもらう。補助教員は机間巡視し、質問に答えたり手が止まっている人の手助けをしたりするのである。月曜日は初日ということもあってかなり混乱していたが、さすがに4日目ともなるとだいぶ落ち着いてきたようで、事前の段取り通りにうまく回っているようだった。

今日で2010年度が終わり、明日からは新しい年度が始まる。今年度を振り返るといろいろなことがあったが、すべては震災の衝撃で影が薄くなってしまったように感じる。とにかく今あらためて思うのは、先のことは分からないということだ。思ってもみなかったことが起き、想像しているようなことは起こらない。そのことを認識しつつ、新年度は物事が少しずついい方向に向かっていってくれることを願ってやまない。

部屋の掃除

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今日は勤務先の自室で主に来年度の講義の準備をしていた。今週は専攻会議やら補習授業やらが入っているが、今日だけはエアポケットのようになっていて何もなかった。やらなければいけないことがたまってきているので、こういう日は貴重だ。

作業をしながらふと下を見て、床が埃だらけなのに気づいた。そういえばこの1年、掃除らしい掃除をしていない。埃だけならまだいいが、髪の毛がずいぶん落ちているのが目につく。これはどうにかしないといけないと思い立ち、資料室の片隅に置いてある掃除機を取ってきて一通り床をきれいにした。それが終わると、今度はテーブルの上に積み上がっている大量の書類を少しずつ処分する。ほとんどは刷りすぎた演習問題だったり出入り業者の置いていったチラシだったりで、すぐ捨ててもいいものばかり。ゴミだと思った時点で捨てればいいのに、ちょっとそのままにしておくとあっという間に山のようになってしまう。まあ今日一日でだいぶ山は低くなったが、まだテーブルがきれいになるには時間がかかりそうだ。新年度が本格的に始まる前にもう少し何とかしよう。



「駒数が12個以下で、メインラインでツークツワンクがテーマになっているもの」という課題に応えた作品。駒数はたったの5個だが、中身はかなり深い。KとRの入れ替えになっている手順も面白く、なかなかの好作と思う。

補習授業

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今日はお昼過ぎから6時過ぎまで、ずっと講義棟内のある教室にいた。今週はここで補習授業が行われることになっており、その補助をするためである。補習授業とは、入学は決まったものの数学に不安のある新入生のために、集中的に高校数学の復習をしてもらおうというもので、今年から始まった試みだ。昨今はこういうことをしている大学はかなり多いのではないかと思う。退職した高校の数学の先生に非常勤講師として来てもらい、それぞれの単元について説明をしては演習問題を解いてもらう。演習問題が解けずに苦労している学生のそばにいき、いろいろとフォローしてやるのが補助教員の務めだ。

ただ今日は初日ということもあり、予定通りにはいかなかった。何より、非常勤で来ていた先生が緊張のせいか何度も説明に詰まって立ち往生してしまったのが大きい。まあ明日からはもう少しよくなるだろう。補助の仕事は他の先生との持ち回りで、次は木曜日の予定。

午前中はNHK杯将棋トーナメントの決勝戦を見る。勝ち残った二人が去年と同じというのはNHK杯戦の長い歴史の中でもやはり初めてのことだそうだが、そもそも準決勝の時点で勝ち残っていた四人が昨年と同じ顔ぶれだったというのだから面白い。今年勝ち残った二人が来年も出てくる可能性は十分あるように思うが、さすがに準決勝に残る四人は入れ替わりがあるだろう。さてその決勝戦は、羽生名人が去年に続いて糸谷五段を破り、史上初の三連覇を達成した。不惑の年にしてこの強さ、ただただ感じ入るばかりだ。それにしても、羽生名人は将棋の内容だけでなく、振り駒にも強い。登場した5局のうち、後手を持ったのは初戦の対伊藤四段戦だけで、あとはすべて先手番だった。チェスを指しに行くとやたらに黒番ばかり回ってくる自分としては、こんなところすらかなわないのかという気分になってきてしまう。

午後は久しぶりにジョギングでも行こうかと思っていたのだが、着替えていざ外に出てみると怪しい空模様。手のひらを空に向けると、わずかに冷たいものがポツポツと当たる。寒いだけなら我慢もするが、さすがに雨の中を走る気にはなれない。あきらめて家の中に戻り、夕方までの時間は楽譜の校正作業にあてた。何とか第1楽章のチェックが終了。まだ3分の1だから、先は長い。

蝶を折る

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OrigamiButterfly2.jpgOrigamiButterfly1.jpg数日前から折っていた折紙を何とか完成させた。今回選んだのは蝶。紙のサイズは30cm×30cmで、アルミホイルの片面に青色のカラペ、もう片面に黒色の雲竜紙を接着したものを用いた。モデルの作者はManuel Sirgo Álvarez。この人の作品をやってみたのは、だいぶ前にエビを折ったとき以来である。そのときにも感じたが、この人は全体の設計についてはあまり奇抜なことをせず、正攻法で行っているように思う。複雑な造形でも、よく見ていくと大まかな構造はいわゆるツルの基本形やその派生形から出発していることが多い。ただその分、一つ一つの工程は妥協がなく、きれいに折っていくのは容易ではない。また折図の説明がやや淡泊で、どう折ることを指示しているのかが見えにくいのも、難しさの要因の一つといえる。実際、本作を折るときにも途中の沈め折りの構造を誤ったまま折り進めてしまい、だいぶあとになって折図と全く違う形が現れて途方に暮れることになってしまった。修正できたのは幸運だったというしかない。

OrigamiButterfly3.jpg今回はカラペのストックがなかったので片面に雲竜紙を用いてみた。雲竜紙は手作り感が出て作品に味が出るよさはあるが、何度も折り筋をつけていると表面に付着している楮の繊維がどんどん剥がれてきてしまうのが困りものである。折っているうちに黒い糸状の固まりが指にくっついてくるのだ。もっとも本作では胴体部分しか露出する部分がなく、結果的にはそれほど影響はなかった。またできあがりを見ると、紙はもう一回り小さくてもよかったかもしれない。もう一度折ることがあったら、せいぜい25cm四方くらいにしておこう。

年明けのウサギ以来、数ヶ月ぶりに折紙を最後まで折り上げることができた。来月から忙しくなるので次回作はいつになるか分からないが、何とか時間を見つけてまた折りたい。

(折紙モデル:"Cola Golondrina", Manuel Sirgo Álvarez "Papiroinsectos y Otros Origamis Exóticos"(Salvatella)、
[英訳版]"Butterfly", Manuel Sirgo Álvarez "Origami Bugs and Beasts"(Dover Publications) 所収)

一部折り直し

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寒い一日だった。何しろ、夕方に降り始めた雨がすぐ雪に変わったのである。夜になっても降り続いているので、この分だと明日の朝はまた景色が白くなっているかもしれない。3月も下旬だというのに一向に暖かくならない。桜ももう少し先だろう。

昨日折り始めた折紙、順調に進んでいたのだが、七合目あたりにさしかかったところで突然問題が発生した。明らかに図面と形状が違っているのである。小さなフラップの角度がほんの少しずれているとか、そういうちょっとしたことならごまかすこともできるかもしれない。しかし造形の根幹に関わる差異が生じてしまっており、そこから先に進むのは不可能だった。問題となった部分を折ったのはずっと前のステップで、そこで何かを間違ったらしい。幸い、それまでに折り進めた部分を解体せずに問題の部分を折り直すことは可能だった。今折っているのはManuel Sirgo Álvarezの作品なのだが、図面の指示が非常に簡潔で、どう折ってほしいのかはっきりしないことがあるのは困ったものである。あれこれいじっているうちにどうにか解決策を発見し、何とか工程に復帰することができた。紙をかなり傷めたために、貼りつけた雲竜紙の繊維が剥がれ出してきている。もう大きな修正はしないで仕上げたい。

消防設備の点検

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少し前に休日出勤をしたので、今日はその分の代休をとって家でゆっくりしていた。この機会に、今までやろうとしていたことにいろいろと手をつける。まず詰パラに送る原稿を作成。今回は選題稿だからそれほど大した分量ではないが、それでも何を書くかちょっと悩んだ。それから楽譜の校正作業。原稿が届いてから今までほったらかしにしていたが、そろそろ始めないと期限に間に合わなくなってしまう。さらに昨日接着した紙を正方形に裁断し、新しい作品を折り始めた。今月中に何とか折り上げてしまいたい。

そうやっていろいろやっていたら、ふいにチャイムが鳴った。何かと思ったら、「どうも、消防設備の点検にまいりました」。そういえば今日だった。入ってきたおじさんは、煙検知器をピロピロいわせながらしきりにくしゃみをしている。「いやあ、鼻炎がひどくってねえ」とのこと。くしゃみをするとそれに合わせて煙検知器が作動するので、何だか風邪のウィルスを検知しているようだった。

雲竜紙の利用

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しばらく中断していた折紙を再開しようということで、今日は帰宅後に手持ちの折紙作品集をパラパラと眺めていた。手がなまっているから、あまり難しいものに手を出すとまた失敗しかねない。かといってあまり手応えがないものを折ってもつまらない。悩んだあげく、これでいこうと一つ選んだ。

作品を決めたら次は紙の選択である。折紙用に最初から裁断された紙も何種類か持っているのだが、今回の作品にマッチするようないい色があまりない。仕方がないのでアルミホイルにカラペなどの紙を貼り付けて切り出すことにしたが、手持ちのカラペを見ると、これもあいにくほしい色をきらしている。やむを得ず、雲竜紙と呼ばれる薄い和紙を代わりに用いることにした。手でちぎった楮の繊維を散らし、雲のような模様を表現した紙である。だいぶ以前、カタツムリを折ったときに一度利用したことがあるが、雲竜の模様の合間からアルミの銀色が透けて独特の味が生み出された。今回も案外いい感じになるかもしれない。

先ほどまでその貼り付け作業をしていたので、まだ部屋全体にスプレーのりのシンナーくさい臭いが漂っている。裁断は明日にしておこう。

久しぶりの練習

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夕飯をすませてから、久しぶりに電子ピアノの蓋を開けてラフマニノフを弾いてみた。今月に入ってから全くといっていいほど鍵盤にふれていなかった。そろそろ練習しなければ、と思っていたところへあの地震が起き、ピアノを弾くような気分にならなくなってしまったのである。やってみると案の定、以前譜読みしてあった部分をかなり忘れてしまっている。薄れかけた記憶を呼び覚ますべく、ゆっくり弾きながら少しずつ指の動きを思い出していった。しかし3月下旬でこの調子では、2ヶ月後の演奏会に間に合うとはあまり思えない。これからは今まで以上に時間を有効に使う必要がある。

ピアノに限らず、このところ趣味の活動はすっかりおろそかになってしまっていた。かろうじてチェスは中国選手権に参加したものの、日頃の勉強はほとんどしていない。折紙は、年明けに折っていた作品が結局うまくいかず、その後新しいものに手を着けることができないでいる。しかしそろそろエンジンをかけないと、毎日の生活に潤いがなくなってしまう。意識的に趣味の時間をつくっていこう。



初期の作品で底は浅いが、主張は分かりやすい。フィニッシュの捨駒は手筋ものの短編詰将棋を思わせる。

将棋番組再開

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今日の広島は、晴天だった昨日と打って変わって一日中雨。小降りになってからも湿った空気があたりに立ちこめ、遠くは白くかすんで見えた。春は近い。

震災から1週間以上過ぎ、ようやく以前の日々が戻ってくる兆しが見え始めている。テレビの番組も徐々に通常編成に戻ってきたようで、今日は将棋のNHK杯戦も再開されていた。先週放送される予定だった糸谷五段対丸山九段戦。昨年の準決勝で糸谷五段は渡辺竜王をあっという間にたたきつぶしたが、今年の準決勝はそのとき以上の一方的な内容になってしまった。たったの39手で丸山九段が投了に追い込まれてしまったのである。糸谷五段は考慮時間を1分しか使っておらず、番組終了時間までまだ40分以上残されていた。さすがに39手で一方的に終わった将棋を40分もかけて振り返るのは大変だから、きっと穴埋め番組が放送されるのだろう、とそのときは思った。ところが適当な番組を用意していなかったらしい。結局、40分もあの対局の感想戦をやったのである。丸山九段にとっては酷な時間だったのではないだろうか。

Selected Helpmates

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Selected_Helpmates.jpg昨日に引き続きまた郵便物が届いた。今度はプロパラに発注してあった2冊の本で、�ivko JanevskiとChris J. Featherのヘルプメイト作品集だ。どちらも押しも押されもせぬヘルプメイトの大御所として知られている作家である。しばらくは忙しそうなのでゆっくり鑑賞する時間はなかなかとれないかもしれないが、よいヘルプメイトとは何なのかを知るためにも、是非手元に置いておきたい作品集といえるだろう。これはよい買い物をした。

震災の前後に発送された郵便物がようやく届くようになってきた。まだまだ被災されたところでは大変な毎日が続いているはずだが、少しずつ日常の生活が戻ってくることを期待したい。

校正原稿届く

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帰宅すると郵便受けに何か入っていた。封筒を見ると「楽譜校正紙在中」とある。頼まれていたカプースチンの楽譜校正の原稿がようやく届いたのだ。発送されたと連絡があったのがちょうど先週の金曜日で地震のあった日だったから、もう届かなくてもおかしくないと思っていた。協力者でつくるメーリングリストを見ると、今日届いたという人が多かったようだ。

私の担当はソナタ1曲分で20ページくらいである。臨時記号が頻出する複雑な譜面なので、チェックは相当慎重に行った方がよさそうだ。自筆譜のコピーと初稿を見比べて、違っているところをピックアップするというのが作業の内容である。普通、自筆譜というと殴り書きで判別するのにも苦労することが少なくないのだが、カプースチンの自筆譜についてはその心配は全くない。というのも、彼の書いた譜面はほとんど印刷されているのと変わらないほどに、きっちり書かれているのである。このまま出版したら、手書きとは分からない人もいるのではないかというくらいの美しさだ。カプースチンの音楽に共通するあのかっちりした雰囲気が、自筆譜の書き方にも現れているようで興味深い。

何しろ大変な時期で気分も沈みがちだが、何とか時間を見つけて自分のノルマをこなしたいと思う。

実験準備

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今朝も雪がちらついていた。上空は雪雲に覆われているわけでもなく、ところどころ青空も見えていた。おそらく、山陰側で降っている雪の一部が飛ばされてきているのだろう。

今日の午後は新年度から始まる実験の準備の手伝いをしていた。ハンダごてやドライバー、ニッパーといった器具が各班ごとにそろっているかどうかを点検し、前年度の学生が残していったゴミを片づける。引き出しを一つ一つ開けて調べると、リード線やコンデンサーの切れかすや書きかけのレポート用紙、さらにはお菓子の包装や噛み終わったガムまで出てきた。まったく実験中に何をやっているのかとあきれはしたが、今われわれが置かれている危機的状況を思うと取るに足りないことに感じられてあまり腹も立たない。準備作業を一緒に手伝ったS先生は親戚が茨城県におられるそうで、心配そうにしていた。いつになったら落ち着けるのだろうか。

起きてみるとひどく寒い。窓を開けたら、何と雪が降っていた。広島でこの寒さなら、東の方はなお過酷だろう。あちらの状況がこれからどうなるのかと思うと不安でたまらないが、少しでも悪くない結果に落ち着いてくれることを今は祈るしかない。

今日は夕方に勤務先を出るとその足で街中へ向かった。行き先は広島将棋センター。このところ土日にもいろいろと所用が入ることが多く、詰将棋解答選手権のことについてしばらく打ち合わせができないでいた。行ってみると広い部屋の真ん中で、席主のTさんが小学生らしい男の子と将棋を指していた。あとはKさんがいるだけ。平日に来るとだいぶ雰囲気が違う。今週初めの段階ではまだ参加者がほとんど集まっていなかったが、TさんとKさんによればまだ参加希望者は何人かおり、今後も呼びかければ増えるだろうとのこと。まだまだ会場のキャパシティには余裕がありそうなので、興味のありそうな人には勧めていただくようお願いした。このような大変なときにあって、こんな催しをすることにためらいがないわけではない。だが逆にこんなときだからこそ、こうした娯楽的活動を行うことに意味はあるだろう。実行委員会本部もきっと同じつもりでいるに違いない。

朝早くから仕事があったので早朝に起床。今朝は敢えてテレビはつけなかった。ここ広島では何も起きていないので、テレビもネットも見なければいつもと同じような朝だ。今度のようなことがあると、こうやって不自由なく過ごしているということのありがたさを実感させられる。

先ほど知ったが、来週W大学で行われる予定だった日本数学会の年会は、今年は中止になったとのこと。輪番停電の話が決まった時点で、そうなる可能性は高いだろうとは思っていた。数学会年会が直前に中止になったことなど、過去にも例がないのではないだろうか。まあこの異常な状況ではやむを得ない。

気が滅入る毎日

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テレビを見ているとどんどん気が滅入ってきて仕方がないので、必要以上には見ないことにした。もちろん現状を把握しておくことは大事だが、エンドレスに繰り返される津波や原発のニュースを見てひたすら暗い気分になっても、結局自分に大したことが何かできるわけでもない。明日からの輪番停電、実家のあたりでも行われるようだ。何とか無事にすんでほしい。

悪夢

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悪夢だ。今日は午後ずっと家でテレビを見ていたが、次々に報じられる現場の状況を見て、すっかり気分が塞いでしまった。これほどひどいことが現実に起きてしまうとは、思いもよらなかった。自分が広島でなく東北地方のどこかに赴任していて、今回の地震で津波の直撃を受けるということにはなぜならなかったのか。それは全く、偶然でしかないのである。に職場の同僚がガンで亡くなったときにも思ったが、なぜ亡くなったのが他の人で自分ではなかったのか、という問いをなかなか押さえられないでいる。

まだまだ事態はきわめて深刻だが、これから少しでも物事がよい方向に行ってほしいと祈るばかりだ。

大地震

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午後はずっと勤務先の部屋にこもって作業をしていた。地震があったと知ったのは発生から1時間くらい経ったころだっただろうか。何気なくニュースサイトを開いたら、「震度7」の文字が飛び込んできたのである。しばらくして津波の映像も入ってきて、これは想像を絶する事態になったと分かった。とりあえず実家と連絡をとろうと試みる。しばらくはつながらなかったが、何度かトライしたら親が出て無事を確認。しかし関東には知り合いも多く、その人たちがどういう状態か、情報が入ってくるのはだいぶ先になるだろう。もう何をする気分にもなれなかったので、作業を切り上げて早めに帰宅した。

これからしばらくの間、どういうことになっていくのか、ちょっと想像もつかない。知り合いが皆無事であることを祈りたい。

今週発売の「新潮」に出た朝吹真理子と羽生善治の対談を読む。芥川賞受賞記念の対談ということだが、対談相手として羽生名人が選ばれるほど朝吹女史が将棋好きとは知らなかった。タイトル戦の中継や「囲碁・将棋ジャーナル」も見ているようで、結構年季が入っている。すぐ後に西村賢太と町田康の対談も載っているのだが、続けて読むとあまりに対照的でおかしくなってしまった。それにしても、単に将棋が恐ろしく強いというだけでなく、対局を離れたこういう場でも第一人者としての深い言葉を発信することのできる羽生さんの存在は、将棋界にとっては途方もなく大きい。

対談の中で、二人が将棋と数学を比較している箇所があったのが興味深かった。「......純粋数学の世界は、完全な理がさきに存在していて、人間は懐中電灯をあてたり覆われている薄紙を引き剝がすようにして理の一部を発見してゆく作業に近い、と聞きました。将棋の場合もそれに近い感覚なのでしょうか」との問いに羽生名人は、「数学の場合、難問がある、テーマがあるというところから始まると思いますが、将棋は「え、そんな手があるの?」というところから始まることが多い気がします」と答えている。実際には、数学の場合も「え、そんな手があるの?」から始まることは多いのではないか、というのが個人的な印象だ。何がどう分からないのかも分からないまま、はっきり目的地があるわけでもない計算を手探りでやっていると、想像していなかった答えが得られておやっと思う。その糸をたぐり寄せていくと、解かれるべき問題の輪郭がだんだん見えてくる。そういう流れは、多くの数学者が経験していることなのではないだろうか。将棋やチェスのようなボードゲームをする人に数学好きが多いのは、こういう思考過程の類似も関係しているのかもしれない。

一瞬の雪

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朝方、出勤前に郵便局に立ち寄り、振込を2件すませる。一つは詰パラの購読料、もう一つは最近出たヘルプメイト作品集の代金。先月くらいから、やたらとあちこちにお金を払っているような気がする。年度末は何かと出費が重なるものだ。もっとも、今日の払いは必要だから仕方がない。

昼下がりに事務方から回ってきたメールを見たら、何やらまた仕事が降ってきた様子。それもすぐ動かないといけないようだ。同じ仕事を担当する先生と急いで連絡をとって集まり、そのままその場で会議になる。また一つ仕事が積み重なってしまった。

暗くなるころに勤務先を出たが、帰り道を走っていると急にヘッドライトに照らされた暗闇がチラチラと動くようになってきた。雪が降ってきたのである。30分もしないうちにほとんどやんでしまったから、通り雨ならぬ「通り雪」というところか。これがこのへんでは今シーズン最後の雪になるだろうか。少なくとも、どっさり積もるように降ることはもうないだろうと思う。

積み重なる仕事

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以前、ショパン=ゴドフスキーの練習曲集を始めとして、楽譜出版の校正作業を何度か手伝ったことがある。なかなか大変だったが、やりがいのある仕事だった。そして今また別の楽譜の出版企画が持ち上がっている。これもチェック作業を少し分担してくれないかと打診があり、先日承諾の返事を送ったところ、原稿を近々発送するという連絡が昨日あった。今週中に届くだろう。まずはめどとして4月末くらいまでに誤植がないか見てほしいという。かなり集中力と根気を要する作業なので、これはどこかでまとまった時間をとらなければいけない。

そう思っているところへ、詰パラに載せる詰四会の原稿を書くようにと四国のSさんから依頼のメールが来た。そうだった、それを書くと1月末に約束していたのだった。とりあえずは出題稿だが、これは4月上旬までに送らないといけない。4月上旬というと9日に詰将棋解答選手権があってその準備に時間をとられるだろうから、実際には今月中に書いてしまった方がいい。さらに昨日は、プロパラの最新号も届いていた。届いたということは、次号の原稿の締切が迫ってきているということだ。これも4月までにはだいたい書いておかないといけないだろう。

みんな趣味の延長線上にある仕事で、自分で呼び込んだようなものではあるのだが、こう一気に重なって来られるとさすがにげんなりしてしまう。もちろん年度末までに本業の準備もしなければいけないし、新年度がスタートしてからの忙しさを考えれば、少し先の仕事もこの時期に少しやっておきたい。まあ空いた時間を有効に使って乗り切るしかないだろう。

偽名での優勝

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世間では入試カンニング事件が話題になっているが、チェス界でもIT機器を使ってこっそり指し手の解析をしたプレイヤーが見つかって処罰されるということがしばしば起きる。この手の事件は今後もますます増えていくだろう。

カンニングの手段として古典的で大胆な手法として、替え玉受験というのがある。要するに誰か代わりの人間に受験してもらうわけで、これを防ぐために試験監督者は写真照合という手間を強いられることになる。替え玉というわけではないのだが、それにちょっと似たようなことが、最近チェス界でも起きたらしい。ニュージーランドの地方都市にある小さなチェスクラブが、レーティング1700以下のプレイヤーを対象にした大会を開催したところ、クロアチアの父娘でレーティングがともに2200を超える強豪が名前を偽って参加し、当然ながら優勝してしまったのである。ローカルなチェスクラブの大会であるから賞金も数十ドルという程度だし、名前を偽っている以上名声が得られるわけでもない。単に練習試合か何かのつもりだったようだ。日本ではあまり起きそうにない話だが、欧米のチェスクラブではこういうことも今後気をつけなければいけなくなるのかもしれない。

中国選手権

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チェスの中国選手権に参加してきた。会場の三原へは、うちから車を飛ばして80分くらいの道のり。4年前に初めて参加してから毎年行くようにしている。参加者は毎年少なめで、去年などはTDのNさん以外に現れたのがTさんと自分の二人だけだった。幸い今年はそれより増え、1局目の開始時点でTDのNさんを除いて4人が集合。さらにお昼過ぎからMさんがふらっと現れ、2局目からはNさんも加えて6人で3局が行われる形となった。

対局の方は、予想通り全然ダメだった。

 相手のレーティング
1. UR           白番 21手 勝ち
2. 1605         黒番 30手 負け
3. 1188(仮)      黒番 29手 負け

1局目は相手の方が公式戦初対局ということで慣れていなかったこともあって危なげなく勝ったが、問題は2局目から。対戦相手のTさんとは4年前に同じ戦型を指していた。そのときの指し手をしっかり調べられており、今回は相手の研究に見事にはまってしまった。こちらはほとんど準備していなかったため、中盤の入口で悪手を指してしまって早々に劣勢となり、ほとんど何もできないまま投了。内容がなくて途中から粘る気にもなれなかった。続いて3局目。相手のSさんはまだ対局数が少なく仮レーティングだったが、大学のチェスサークルで強い先輩にたくさんもまれているとのこと。実際、レーティングの数字よりはずっと強いように感じた。これも中盤から疑問手を連発し、あまり大した見せ場もなくリザイン。あまりチェスらしいチェスを指した気がしないまま今年の中国選手権は終わってしまった。今までで一番不出来だったと言っていい。ここ数ヶ月はほとんどチェスに接することがなかったのでこうなるのもやむを得ないが、負けるにしてももう少し内容のある対局にしたい。これでは相手にも申し訳ない。

それにしても、相変わらず黒番の引きの強さは健在だ。参加した5回の中国選手権で、すべて白番局より黒番局の方が多い。そしてまた、黒番局でとにかく勝てない。戦績は悪くなる一方だ。

終了後、Tさん、Sさん、Nさんと4人で近くの食堂に行って早めの夕飯。昼頃から降り出した雨はすっかり本降りになってきていた。6時少し前に散会する。どういうわけか帰りは渋滞が激しく、延々とノロノロ運転をさせられる羽目になってしまった。結局、行きの倍の時間をかけてようやく家に帰り着く。やれやれ、疲れた。



創作年は不明だが、La Stratégie誌の1908年10月号に引用されていた作品。ほぼ絶対手の連続で底は浅い。作品というよりは素材のレベルだろう。

ネットを巡って誰が書いたとも分からない日記を流し読みしていたら、ちょっと興味深い記事を見つけた。仲間の集まりで自己紹介することになったとき、理学部数学科に所属していると言ったら大笑いされた、というのである。記事に書かれた内容を見る限りでは、大学で数学をやるなんて信じられない、という雰囲気だったようだ。

さすがに数学科と聞いて爆笑するような反応をする人は、世の中にそれほどたくさんいるわけではない、と信じたい。もしかしたら、英文学科だろうと獣医学科だろうと、何か言えば爆笑するような雰囲気だったのかもしれない。しかしそれでもなお、数学科と聞いたときに多くの人はきっとある種の「得体の知れなさ」を感じるのだろう、という気はする。あまりに自分の世界からかけ離れていて、具体的なイメージが何も浮かばないようなものを目の当たりにしたとき、何だかおかしくなってしまうというのはよくあることだ。

それでふと思い出したことがある。まだ学生の時分、他の大学の学生さんと知り合って飲む機会があった。お互い数学を専攻する身だから数学科と聞いて笑うようなことはもちろんなかったが、趣味の話になったときに似たような瞬間があったのだ。詰将棋創作やチェスをするんですという話をしたときからもう彼はおかしそうにしていたが、そもそもチェスと将棋はともにインドのチャトランガというゲームが発祥とされていて......と語ったところで、彼は
「ぶわっはは、チャトランガ!チャトランガ!」
と手を打って大爆笑したのである。それからしばらくは、「チャトランガ」と口にするたびに笑わずにはいられないようだった。おそらく、詰将棋やらチェスやらという今まで何の接点もなかった分野の、さらにその奥の方にある名前を突然聞かされて、その「得体の知れなさ」と妙な音の響きが相乗的におかしみを生んだのだろう。つられてこちらも笑ってしまい、楽しい時間を過ごしたことを覚えている。

ただ、数学科所属と聞いてそのことを笑うというのは、それとは別だろう。数学自体とは縁遠く、また数学が嫌いであっても、数学の意義や価値を多少なりとも理解していれば、そんな反応にはならないのではないか。チャトランガを知らないのとはわけが違うのである。

今日は取り立てて急ぐ仕事もなかったので、先月休日出勤した分の代休をとってお休みすることにした。このところ土日も何かしら用事が入ることが多く、ゆっくりする機会が少なかったから、ここらでリセットするのも悪くないだろう。

お昼をすませてから、チェス盤に駒を並べてみる。今度の日曜日に中国選手権があるため、さすがに少し準備しないといけないと思って、前に覚えたはずのオープニングを追ってみた。案の定、全く覚えていない。あれこれ付け焼き刃でラインを頭にたたき込んでも、ちょっと時間が経つとすっかり忘れてまた最初からやり直しだ。こんなことを何年も続けていたところで強くなるわけがない。実は、このブログを見たのがきっかけでチェスを本格的に始めたという人を、私は何人か知っている。それは大変うれしいことなのだが、問題はその人たちはどんどん強くなっていくのに、私はいつまでもビギナーの域を抜け出せずに置いていかれてしまっていることだ。

2時半頃、定跡並べに飽きたところで着替えてジョギングに出かける。以前は寒い時期になると毎週のように走っていたのに、今シーズンはこれまでずっとサボっていた。そのせいかどうかは分からないが、ここ数日、風呂上がりに体重を測定すると若干数字が上がり気味だったのである。やっぱり運動不足はよくないと反省し、貴重な時間をあてることにしたのだった。久しぶりなのでリハビリのつもりでペースは遅めにし、5キロを31分ほどかけて走る。風が強いのには閉口したが、青空の下でなかなか快適だった。

夕方から街中に出る。このころから急に鼻水が出てきて止まらなくなる。もしかしたら、ジョギングで汗をかいたところに風を受けて身体が冷やされてしまったのかもしれない。いくつか買い物をすませてから本屋に立ち寄り、目にとまったコルモゴロフ「確率論の基礎概念」と志村五郎「数学をいかに使うか」を買って帰宅した。



黒のKをf5,f6,f7,f8,c5,e5の6カ所のどこかに追い立て、d2のPを始末する。底本ではそれぞれの変化は対等なものとして並置されていたが、ここでは棋譜再生の都合上、一つをメインラインとしている。本作はKubbelが1910年に創った作品を改作したものである。参考までに、元になった作品も掲げておく。





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