2011年5月アーカイブ

火曜日なので午後からH大へ。いつものように講義をすませ、T君と合流して夕飯。

9時頃帰宅すると、プロパラの原稿を大急ぎで仕上げる。今日が締切なのに、まだかなりの部分が未完成のままだった。日付が変わる直前にどうにか書き上げて送信する。図面を間違えたりすると大変なことになるから余裕を持って作成した方がいいのだが、どうも毎回バタバタしてしまう。ともあれ、これで今月までにやらなければいけなかったいろいろな仕事がやっと一通り片付いたことになる。やれやれ。

今日は午後に2つ講義が続いてちょっと大変だった。外書講読演習という科目を自分ともう一人の先生で担当しており、今日はその最後の当番日。一方、大学院生向けの講義をやはり別の先生と二人で受け持っており、自分は後半のパートを担当しているのだが、その初回がやはり今日なのである。だから休みをおかず連続で講義しなければいけないのは、今学期のうちで今日だけだ。さらにそれが終了した後に自室で学生からの質問をあれこれ受けていたから、全部終わったときにはさすがに疲れてしまっていた。

大学院生向けの講義の教室は昨年と同じだったが、行ってみると少し様子が変わっていた。黒板がいつの間にかホワイトボードに変わっていたのである。去年は確かに黒板だった。うちの大学で黒板が残る数少ない部屋だと思っていたのに、いつの間にか撤去されてしまったようだ。あのチョークも黒板も品質が今ひとつではあったが、なくなってみるとやはり残念な気はする。

もしかしたら、今はもう小学校などでも黒板がないところが増えているのだろうか。実物を見たことがないという人がそのうち出てくるのかもしれない。

昨日は大阪・池田の逸翁美術館にあるマグノリアホールというところで、加古川ピアノ同好会の演奏会に出演してきた。阪急池田駅に着いたのはお昼前で、幸いまだ雨は降り始めていなかった。リハーサルで少し弾かせてもらった後、館内にある喫茶店のようなところで他の出演者の方と昼食。そのころから雨は本降りになってきていた。

今回の演奏会は、幹事のTさんの仕切りで独特のスタイルのものになった。一人一人、演奏者がTさんによって紹介されるだけでなく、演奏の前か後にマイクを渡されてTさんにインタビューを受けるのである。私自身も少ししゃべったのだが、あとで客席に戻ってから他の出演者とTさんとのやりとりを見ていて、これは「のど自慢」のシステムと同じだなと思った。演奏前には「次は○○さん、曲は××です!」と告げられ、演奏後にはマイクを渡されて「いやいや、よかったですよ......この曲、お好きなんですか?」などと質問されるという流れは、あの番組と非常に似ている。違うのは、演奏中に失格の鐘を鳴らされないことだけだ。そんなことを考えていたら、今回のプログラムのトリを務めたM君が自身の作曲で「のど自慢」のテーマ曲のフレーズをアレンジした小曲を披露したので、やはりこの見立ては間違っていなかったのだなと妙に納得してしまった。

肝心の自分の演奏については、まあ突貫工事で練習したにしては無難に終わったというべきだろうか。演奏したのはラフマニノフの前奏曲Op.23-10とOp.32-12で、いずれも学生時代に弾いたことのある曲だ。後者はあまりうまくいかないだろうということは覚悟していたので、せめて1曲目だけでも大きなミスをしないで乗り切ることが最低限の目標だった。結果としては、最低限の目標はクリアしたが、それ以上には行けなかったというところだろう。また今回は、学生のころの演奏会も含めて、ソロの出演としては初めて楽譜を譜面台に置いて弾いたのだが、これがよかったかどうかは分からない。演奏中に記憶が飛ぶかもしれないという不安からは解放される一方で、譜面が気になって視線が鍵盤と譜面を行ったり来たりし、演奏に集中できなかったような気もする。やはり、可能であればなるべく暗譜した方が自分にとってはいいようだ。

演奏会の終了が予定よりだいぶ遅くなったため、打ち上げの店に移動して乾杯したときはもう9時近くなっていた。イタリアンレストランのコースで、出てくる料理がどれもなかなかおいしく、みんなでこれはうまいと口々に言いながらピアノ談義で盛り上がる。ホテルに入ったときはもう日付が変わっていた。

今日は起きてみると外は吹き降り。台風が心配だったので、予定より早めに広島に戻る。新幹線はやや遅れていたが、幸い止まらずに運転してくれた。

さて、2日間の非日常は終わり、明日からはまたいつもの日々。

一夜漬け

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今日は講義が一つと会議が一つ。会議は夏のオープンキャンパスについての打ち合わせで、6月から7月にかけてはその準備にかなり時間を取られるのは避けられないようだ。この時期はただでさえ出張が2つ入る予定で、補講などをどこに入れるか思案しているというのに、ますます時間的に余裕がなくなっていく。スケジュールでジグソーパズルのようなことはあまりしたくないのだが、やむを得ない。

帰宅後、電子ピアノに向かって練習。本番前日だというのに音を確認しているありさまで、落ちこぼれ学生の一夜漬けもいいところだ。加古川ピアノ同好会の演奏会に出させてもらうのは今回で8回目だが、回を追うごとに完成度が低くなっていっているように感じる。この分だと、先日書いたような夢の話が現実になりかねない。

明日は演奏会終了後に打ち上げに出るので、ブログの更新はお休みするかもしれない。広島には日曜日に戻るが、台風がやや心配ではある。交通機関にあまり影響がないことを祈ろう。

魂の60局

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朝はまだ曇り空ですんでいたが、昼過ぎには窓を閉めていても雨音が聞こえてくるくらいに降ってきた。どうも今日から梅雨入りとのこと。5月のうちに入梅とは、例年に比べるとずいぶん早い。

買い物をするため、帰りに街中に出た。天満屋の中にあるジュンク堂にふらっと立ち寄ったら、出版されたばかりの「ボビー・フィッシャー 魂の60局」が並んでいるのを発見し、すぐレジに持って行く。もちろん原書も持っているが、これは買っておかないといけない一冊だろう。それにしても、何の気なしに入った本屋にこの本の翻訳が置いてあるのだから、時代は変わった。他にもパッハマンのシリーズを始め、チェス本がずらっと並んでいる。自分が子供のころにこういう環境だったら、もう少しチェスが強くなったのでは、とちょっと思わなくもない。



このあと登場する153番も参照のこと。ごく初期の作品で底は浅く、作品というよりは素材のレベルである。Kubbel自身も1938年に出た彼の作品集で、このステイルメイトのアイディアを立派な作品として表現したのはMattisonが初めてだったと認めている。参考までに、Mattisonの作品も掲げておく。





冷水か温茶か

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昨日の夕方から今朝にかけては、ずいぶん気温が下がった。朝起きてきたときは、もう必要ないだろうと先日ヒーターを押し入れに片づけたのは早計だったかと少し悔やんだほどだ。しかし、日が高くなるにつれて暖かくなり、5月らしい陽気になってきた。

火曜日なので午後からH大に移動。着いてから講義の時間までは、学生食堂で待機していることが多い。食堂には飲み物のサーバが2つ置かれており、一つには「冷水」、もう一つには「温茶」と手書きで書かれた紙が貼り付けられている。すぐ横に積まれているプラスチックの茶碗を取ってどちらかを注ぎ、それを手に空いた席に座って講義ノートを見ながら時間をつぶすのである。4月の間は文句なしに「温茶」を選択していたのだが、先週くらいからどちらを飲むか迷うようになってきた。サーバの前でしばし逡巡してしまうのである。冷たい水を飲んですっきりした方がよい気もするし、お茶で落ち着いてから講義に行った方がよいような気もしてくる。結局今日は、今朝の寒さを思い出してお茶にしたのだった。おそらく来月になれば、冷たい水でなければ到底飲む気がしないような蒸し暑さになっているだろう。冷水か温茶かで迷うということは、今が一番過ごしやすい時期ということかもしれない。

昨日のこと。部屋を少し掃除していて、居間に散らかっているものを取り上げてゴミ袋に放り込んでいると、床に落ちていたチラシに混じって1枚見慣れないものが出てきた。広島にある会社の名前が書いてあって、「送付先」とか「発信元」などとある。どうやらうちのファックスが受信した紙が床に落ちてしまい、そのまま気づかないでいたようだ。

送付枚数:2枚(表紙含め)
件名:巻き爪グリップ御見積
いつもお世話になっております。
お見積もりをお送りいたします。
よろしくお願いいたします。

送付枚数は2枚とあるが、2枚目は送られてきていないところを見ると、多分途中で送信先を間違えたことに気づいたのだろう。そういえば、だいぶ前にも間違って届いたファックスがあったが、あれも内容は見積書だった記憶がある。我が家のファックス番号は、どこかの会社の番号とかなり近いに違いない。

それにしても、巻き爪グリップとはどんなものだろう?

バラを折る

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OrigamiRose2.jpgOrigamiRose1.jpg折紙でバラを折ってみた。作者は川崎敏和氏で、折紙界では "Kawasaki Rose" として世界的に知られた有名作品である。これまで折ってきたものの中では、最もよく知られている作品と言えるかもしれない。紙は連量100kgのタント紙で、大きさは21cm×21cm。川崎ローズにはいくつもヴァージョンがあり、今回折ったのはおそらく一番難しいとされているものらしいが、折ってみた感じではそれほど苦労するような箇所はなかったように思う。おそらくそれは、これでもかというほど詳しく折り方が説明されていたからだろう。簡潔きわまりない洋書の折紙本なら適当な図一つで終わらせそうなところを、いくつも途中図を挟んだり、折り方を練習する別メニューが用意されていたりと、懇切丁寧なことこのうえない。今回のヴァージョンのバラは「バラと折り紙と数学と」(森北出版)や「折り紙 夢WORLD 花と動物編」(朝日出版社)に出ているが、前者の5年後に出版された後者では、元々丁寧な折図がさらに丁寧になっている。これならファンも増えようというものだ(最近出た「究極の夢折り紙」(朝日出版社)にも掲載されているが、こちらは花底の部分の折り方がさらに少し改良されている)。

OrigamiRose4.jpgOrigamiRose3.jpgいつもは複数の紙で表現された作品はあまり折らないのだが、今回はバラと合わせて葉もつけ加えてみた。紙は15cm×15cmの市販折紙用紙である。これを花の底の部分の隙間にさすと、葉つきのバラになる。こうしてみると、やはり色のコントラストがはっきりしてまとまりがよい。

複雑系折紙を折り始めて数年経ち、折り上げた作品もいつの間にかだいぶ増えてきたが、花を折ったのは実は今回が初めてだ。川崎氏の作品集を見ると、バラの他にも桜や紫陽花など、花の作品がかなり多い。考えてみると、花のような対称性が非常に高い造形のものは、本職が数学者である川崎氏が一番本領を発揮できるジャンルなのかもしれない。同業者としては、専門と趣味が滑らかにつながっているというのは、ちょっとうらやましい。

(折紙モデル:「薔薇」、川崎敏和、「折り紙 夢WORLD 花と動物編」(朝日出版社)/「バラ」、川崎敏和、「バラと折り紙と数学と」(森北出版) 所収)

演奏会で弾くときは、本番の1週間か2週間前にスタインウェイが弾ける街中のピアノスタジオを借りて少し練習することにしている。その儀式をまだしていないことに今日になって気づいた。ピアノスタジオに電話してみると、今日は空いているとのこと。早速5時からの1時間を押さえ、4時過ぎに車で出かけた。

昨日のエントリで話題にしたブライアン・ヘイズの「ベッドルームで群論を」という本は、実は序文の書き出しもかなり印象に残っている。こういう一文から始まるのだ。

バイオリンを片手にステージにあがると、指揮者はこちらに向かってうなずき、聴衆は静まりかえる。ところが次の瞬間に、パガニーニの難曲を下稽古していなかったことに気づく。それどころか、一度もバイオリンを弾いたことがない。

「バイオリン」の部分をピアノに直せば、これはもう私がときどき見る夢そのものだ。実際、以前そういう夢の話を書いたこともある。ヘイズ氏はコンピュータを触ったこともないのにコンピュータに関するコラムを書くことになったことがあるそうで、上の書き出しはその経験を紹介するためのマクラとして置かれたものだ。自分ができないはずのことをいつの間にか(注目される場で)やらされることになっているという悪夢は、どうやら私だけのものではないらしい。

困ったことに、今の状態はかなりこの悪夢に近いともいえる。何しろ演奏会が来週に迫っているのに、まだ暗譜も覚束ないのだ。今日はスタジオに入ると、かなり危機感を持って何度も弾きこんだ。突貫工事でだいたいの箇所はごまかしが利くようになったが、まだうまく弾けないところが残っている。今からあまり改善できるとも思えないが、あと1週間、何とかあがいてみよう。

この夏、県内の高校生向けに数学のトピックを紹介する講演をするよう依頼されている。何について話してもいいが、あまり予備知識が必要でなく、それでいて現代数学につながるような内容であることが望ましい。引き受けてからどうするか思案していたが、結局群論にまつわる話題で行こうと決めた。微積をまだ習っていなくても大丈夫だし、あみだくじやルービック・キューブのようにとっつきやすい題材があるから、話もしやすいだろうというわけだ。

そういうこともあって、数学徒以外を対象に群論に関する話題が書かれている本を最近よく手に取っている。先日買って読んだのが、去年の秋に出た「ベッドルームで群論を」(ブライアン・ヘイズ著/冨永星訳/みすず書房)という本。300ページ近い厚さの本のタイトルに「群論」とあるから期待したのだが、これは数学の専門家ではない著者が様々なテーマについてあれこれ考えを巡らせる科学エッセイ集であり、群論が関係するのは本のタイトルになっている最初の章だけだった。ベッドのマットレスをときどき置き直してでこぼこをならしたいが、時間が経つと前にどう置いていたのか忘れてしまうという話から始まり、一定の方向にひっくり返していってすべての置き方を実現できないのか、と著者は考え始める。そしてそれが不可能であるという事実から、位数4の群には巡回群とクラインの4元群の2つがあるという結論に至るというのが、この章の全体の流れだった。群論の導入としては悪くないと思うが、いくら数学にあまりなじみがないとしても、一定の方向に置き直していくだけでマットレスの置き方をすべて実現できるとは、普通の人でもあまり思わないのではないだろうか、というのが正直な感想。とはいえ、他のエッセイも面白く、なかなか楽しめた。

泥縄の練習開始

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関西圏に住むピアノ好きが集まってつくっている加古川ピアノ同好会というコミュニティに広島から参加し、半年に一度の演奏会に4年前から出演させてもらっている。2008年に一度お休みしたのを除けば毎回出ているから、もう7回弾いたことになる。今年もその1回目の演奏会が今月末に迫ってきたが、今回はまたお休みしようと思っていた。何しろ、このところほとんどピアノに触っていなかったのだ。当初はラフマニノフの前奏曲に練習曲「音の絵」というつもりでいた。だが震災が起きてから練習意欲がすっかり萎えてしまったのである。最近になってようやく気分的にも楽になってきたが、「音の絵」のような難曲を今からやるのはもう無理だと、すっかりあきらめてしまっていた。

しかし今回の演奏会幹事から、ラフマニノフを弾く人が他にいないので、せっかくだからどうですか、と打診されてしまった。そう言われると、ちょっと無理してでも出演しようかという気になるのが人情である。とはいえ、ほとんど練習していない「音の絵」を人前で弾くのはあまりにも無謀だ。あれこれ思案して、小さな前奏曲を2曲程度弾くくらいなら何とかならないだろうか、ということになった。幹事の方は曲目については本番直前まで融通を利かせてくれるようなので、今から急いで練習してみて何とかなるかやってみようと思う。泥縄もいいところだが、まあ参加することに意義はあるだろう。

ビミョー

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昨日は寝るのが遅かったのに、今朝は妙に早く目が覚めてしまった。身体は眠ることを欲しているのに、なぜか眠りに落ちることができないのである。旅行をしたわけでもないのに時差ボケみたいなことになってしまうので、こういう日はどうも調子が悪い。

今日は3年生実験の日だった。一通り実験が終わり、残っている学生が少なくなってくると、一緒に担当している他の先生方とあれこれ話し始める。
「『レポートが分からないんで質問に来ました』って学生が部屋に来るんですけど、『どこが分からないの?』と聞いたら、白紙に1番、2番、3番と間を置いて書くんです。要するにレポート1番から3番まで全部答えを教えてもらおうという......。『君さ、自分で考えたの?』『いや、分からないんで』って、考えないのに分かるわけがない」
「うちもそんな感じで来たから、かなり一生懸命説明したんだよ、分かりやすく。それで『どう、分かった?』って聞いたら、『ビミョー』って......全くもう、あのビミョーって答えは何なんだろう」
「そういう学生が『先生、単位どうにかなりませんか?』って来たら『ビミョー』って言えばいいんですよ」
みんな苦労しているのである。

児玉清さん死去

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午前中に4年生のセミナー、午後はH大に移動して微積の講義。先週の火曜日はひどい雨だったが、打って変わって今日は快晴だった。講義は重要度が低いと思われる部分を一部カットして説明したにもかかわらず、予定していたところまで終わらず。以前より要領が悪くなってきているのかもしれない。

講義終了後、いつものようにT君と合流して夕飯。会うたびにいろいろな話題になるが、今日少しだけ「アタック25」の話をした。というのも、数年前に彼は解答者として番組に出演したことがあるのである。一度出演するとしばらくの間は出られないことになっているらしいが、もう彼はその期間は過ぎていて、ルール上は再出場が可能だ。「でも児玉清さんは調子悪いみたいだねえ」という話をちょっとしたのだった。だから帰宅してからニュースで亡くなったことを知ってちょっと驚いた。あの安定感のある司会がもう見られないとは、残念でならない。



カルボナーラ

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CheeseGrater.jpg昨日街中で買ったものの一つが、チーズおろしだった。小さいものは持っているのだが、連休に帰省していたときに行ったイタリアンレストランで使われていたタイプのものがほしくなったのである。4-sided cheese graterと呼ばれるもので、面によってチーズの粉の大きさを調整することができる。これでパルミジャーノ・レジャーノをシャカシャカすってカルボナーラでもつくろうというわけだ。もっとも、そういうことなら粉の大きさなど一律でよいので、家にある小さいチーズおろしで本当はことが足りるのである。要するに、これでチーズをおろしてみたかった、というだけのことだ。

Carbonara.jpgなぜカルボナーラかというと、これも帰省中のことに端を発する。寝ぼけ眼でリビングに降りてきてソファに突っ伏していたら、テレビから料理番組らしい音が聞こえてきた。「卵3個、牛乳4分の1カップ、それにすり下ろしたパルメザンチーズを50g用意し、これを合わせてソースをつくります」「はい、卵3個、牛乳4分の1カップ、それにチーズが50gですね」といったやりとりを耳にして顔を上げると、カルボナーラをつくっていたところだったのである。ソースにパルメザンチーズをたくさん入れていたので、それをやってみようと思っていた。ちょうど賞味期限の迫っていたベーコンが冷蔵庫にあったので、それを消化するという目的もあった。つくってみた感想は、まあまあというところ。おいしいには違いないが、まだ改善できそうな気がする。ベーコンももっとブロック状の分厚いものを使えばきっとよくなるに違いない。

そういえばその料理番組で、「ここで火が強すぎますと、ソースがモロモロになりますのでね、注意してくださいね」「あ、ソースがモロモロになるんですね」「そうなんです、こうやって粗熱を取らないと、ソースがモロモロになるんです」と何度も「ソースがモロモロになる」という表現を繰り返していた。実はそういう表現はあまり聞いたことがなかったのだが、まあ音の感じでどういう状態かは分かるものだ。大して粗熱は取らなかったが、モロモロにはなっていなかったと思う。

折紙を折ったりピアノを弾いたりとのんびり過ごしていたが、4時を過ぎたところで着替えてジョギングに出かける。公園に近づくにつれて歓声が聞こえてきた。ジョギングコースのある公園の真ん中にはサンフレッチェ広島のホームスタジアムがあるのだが、どうも試合の真っ最中らしい。いつもはがらんとしているスタジアム前のスペースは柵で仕切られてスタッフらしき人たちが行き交っており、普段は家族連れが遊んでいる広場も駐車場に使われている。走り始めると、歓声が突然大きくなり、「ゴール!」という絶叫アナウンスが鳴り響いた。どうもリードされていたところを追いついたようだ。今年はどういうわけか、プロ野球もサッカーも広島は調子がいい。カープもサンフレッチェも今日の試合はいったんリードされてからの逆転勝ちで、現在どちらも2位につけている。鯉のぼりの季節が終わってまだこんな上位にいるのは、久しぶりなのではないだろうか。

ジョギングの方は3キロで切り上げて自宅に戻る。シャワーを浴びて汗を流したあと、街中まで車で出かけて買い物。先日、A先生に折紙用に和紙を手に入れたいという話をしたときに「本通商店街に確か紙屋がありましたよ」と言われたのを思い出し、買い物を終えたあとに行ってみる。しかし階段を上がっていくと店の電気が消えており、ちょうど店員らしきおばさんが出てくるところだった。「すみません、今日はもうおしまいです」と言われ、踵を返す。買い物の前に来ればよかった。

午後の講義を終え、部屋に戻って一息つく。さて、あとは1時間後に始まる会議に出ればいい。そう思って目の前に積まれている書類を何気なく取り上げたら、下から「締切:5月13日(金)」と書かれた紙が出てきた。しまった、完全に忘れていた......。今日までに作成しなければいけない書類があったのだ。連休の間に記憶が飛んでしまっていた。あわてて作成に取りかかる。八割方できたところで会議の時間になり、いったん中断。会議は予定時間を50分近くオーバーし、あたりが暗くなるころにようやく終わった。部屋に戻ると書類作成の続き。最後の詰めに手間取り、8時頃ようやく終わった。講義で回収したレポートをチェックするつもりだったが、疲れたので来週に先送り。

今週もいろいろあって大変だった。明日と明後日はゆっくりしよう。

傘の話

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降りは弱くなったものの、今日も一日雨模様。こうも続くと、もう梅雨入りしたようなものである。毎日、傘が手放せない。

今使っている傘はそれほど背が高くない私が使うにしてはかなり大きく、70cmもある。去年の梅雨時に買ったものだ。それまでは近所の店で買った安いだけの傘をずっと使い続けていたが、強風にあおられて骨がぐにゃっと曲がってしまい、かなりみっともない姿になっていた。それでも何とか傘としての役目は果たしていたのである。だが雨脚が強くなると、足首の上あたりまでがずぶ濡れになってしまうのが不満だった。そこで去年、自分としては珍しくまともな金額を出して、ちょっと立派なXLサイズの傘を買ったのである。今度は少々の風には負けない骨を持っているし、足下の濡れる範囲がだいぶ小さくなったので、愛用している。

それにしても、道具として傘ほど完成してしまったアイテムも珍しい。世の中のいろいろなものが時代とともにどんどん形を変えていっているのに、傘は広重の浮世絵で行き交う人々が差しているものとほとんど形状が変わっていないではないか。今のような時代なら靴の先まで全く濡れずにすむ傘を誰かが発明しそうなものだが、そうはならないところを見ると、今後も傘はこの形のまま生き続けるのだろう。

3日間続いた雨も夕方に帰るときにはあがっており、愛用の傘は閉じたまま手に持っていくことになった。明日は置いていってもよさそうだ。

折紙と落語

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今日も朝から晩まで雨。全くよく降る。

水曜日の午後は3年生実験の日。実験室に行くと、一緒に担当しているA先生から「すみません、あれ、もうちょっとお借りしていてもいいですか」と言われる。そういえば先日、趣味で折紙を折っているという話になり、もしご興味があればと手持ちの本を一冊お貸ししたのだった。聞いてみると、かなり時間をかけて折っているとのこと。本の中では比較的やさしい方に入る作品を、紙の大きさを変えて何度も折ってみているそうだ。そこまで熱心に折ってくれるとは思わなかった。本をお貸ししたかいがあったというものだ。複雑系折紙は数年前から一人でひっそり始めた趣味だが、もしかしたら仕事場に同好の士ができるかもしれない。

その後、実験の手伝いに来ている大学院生も加わって実験準備室であれこれ話していたとき、ちょっと驚いたことがあった。話題がまた震災のことになったとき、大学院生が「震災で自粛ムードが高まったせいで、仕事がだいぶ減ったと親父が言ってましたよ」という。
「お父さんは、どういうお仕事されてるんですか?」
「落語家です」
「えっ!?ら......く?」
「ええ、落語家です」
全く思いもよらない答えでびっくりしてしまった。お父上は上方の落語家で、ご実家は京都とのこと。私は上方落語はあまり聴かないので残念ながら初めて聞く名前だったのだが、ちゃんとした名跡で弟子もとっておられるという。そのうちこちらにも一席披露しに来てほしいものだ。

火曜日なので午後からH大に回って非常勤講師の仕事。今日は一日中雨がひどく、高速道路ではあちこちに水たまりができていた。前の車がその上を走ると激しく水煙が上がるので視界が悪くなる。普段よりはスピードを落として運転しないと危険だった。天気予報を見ると、明日も明後日も雨となっている。もう梅雨に入ったかのようだ。

勤務先を出る前、自室で講義の準備をしていたら、I先生が訪ねてこられた。用件は次に登る山の相談。広島県百名山を一つずつ登ろうと数年前から少しずつ登り始め、この間の極楽寺山でようやく9つクリアした。できれば本格的に暑くなる前にもう一つ登り、二桁を達成しましょうという話になる。ただしばらくはお互いの都合がつかないので、残念ながら今月は無理そうだ。来月の適当な時期、梅雨の合間にうまく好天の日をつかまえられれば、ということになった。

詰備会に行く

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半年に一度の詰備会の日。10時過ぎに家を出た。予定より1本早い新幹線に乗り、昼前に岡山に到着。駅でゆっくりお昼を食べてから、ぶらぶらと岡山市民会館に向かう。今日は日射しが強く、歩いているだけで汗ばむほどだった。

FiveStarsTsumeshogi.jpg部屋に入ると、すでに到着していた数名の方から挨拶とともに「斎藤さん、批判が集まっていますよ」と言われてぎょっとする。「えっ、批判というと......」と不安そうに答えると、ニコニコしているAさんから1枚の紙を見せられた。前回の詰備会の席上で、アマ名人戦準優勝のAさんは他の参加者から「やさしい」詰将棋を募っていた。図面を集め、Aさんが指導しておられる小中学生に出題して彼らの棋力向上に役立てようということだったので、私もその場で思い出せた自作2つの図面を書いて提供したのである。ところがAさんが集めた作品を事前に一通り解いてみたところ、私の提供した2作はちょっと難しすぎたらしい。Aさんによって難易度が5段階に分けられているのだが、私の2作だけが「5分でプロ級」のレベル5と判定されていたのだ。確かにちょっと難しめかなという気はしていたが、他の方の作品と比べてそんなに難易度が違っているとは思っていなかった。考えてみると、こういうときに使えるような一桁手数のやさしい作品は、今までまともに創ったことがない。少し用意しておいた方がいいのかもしれない。

今日の詰備会は12名が集まった。部屋のあちこちで思い思いに詰将棋を解いてワイワイやるのはいつも通り。前回も参加した高校生が今回も来ていて、Aさんが作ってこられた詰将棋集を片っ端から解いていたが、やはり私の2作は最後に回されていたようだった。自分は主にNさんが持ってきたチェスのレトロの問題を一緒に考えていた。難しかったが、二人であれこれ議論し、何とか解けて一安心。こういう問題は、相談し合いながら解くのもいいものだ。

5時頃に会合は終わった。岡山駅近くの店に移動して2次会。7時半過ぎに散会した。



Kの周囲に敵の駒がちょうど一つずつ利いているideal stalemateの形。フィニッシュの6.Ra6+!の感触は、詰将棋の飛車捨てそのものである。

全く知らなかったが、3月に放送されたNHK杯将棋トーナメントの決勝戦の様子を、昨日ラジオで放送していたらしい。第60回という節目の大会であることを記念して、ラジオで放送されていた初期のNHK杯戦の様子を再現しようという企画だそうだ。テレビ放送されたものとは別に、米長会長・渡辺竜王・佐藤九段の3人が解説したというのだから、なかなか気合いが入っている。

幸い、NHKのサイトで放送を全部聴くことができた。棋譜が音声と連動しているのもよかったし、アナウンサーも含めてみんな肩の力が抜けており、非常によい企画だったと思う。ただ一つ気になったのは、上でリンクしたページに出ている音声の書き起こしだ。どうも担当者が、将棋のことをよく知らないようなのである。声の聞き分けができていないのか、発言者を取り違えている箇所もところどころあった。何より、対局内容を理解していれば決してしないような聞き間違いがいくつもある。例えば解説している棋士が「飛車を『浮く』」と発言しているところが何カ所かあるが、これがみんな「飛車を『置く』」と書かれているのだ。たとえそう聞こえたとしても、将棋を指す人ならこういう勘違いはしないだろう。

午後の新幹線で広島に戻る。連休最終日ということできっとかなり混雑しているだろうと覚悟していたが、拍子抜けするほどに空いていた。定期運行されている便の3分後に出発する臨時便だったからかもしれない。それにおそらく、本当の連休の終わりは今度の日曜日なのだろう。

車内ではパソコンを出して、チェスプロブレム作家の方への返書をしたためていた。数年前からプロパラのヘルプメイトコーナーを担当しているので、ときどき各地から作品が投稿されてくる。多くはメールで来るのだが、常に手書きで図面を書いて封書で送ってこられる方もいる。その一人、Wさんとは、私が担当者になったときからずいぶん手紙をやりとりしてきた。Wさんは自分の作品が完全かどうかを投稿前にコンピュータでチェックすることはできないので、こちらで調べて検討結果を連絡するようにしている。ヘルプメイトは指し手の自由度が高く、コンピュータでの検討なしに完全作を創るのは容易ではない。たいてい不備が発見されるので、その具体的な内容をまとめてこちらから送る。するとその結果を受けて数ヶ月後にWさんが作品を修正し、それをこちらで検討してまた結果を報告する。このやりとりから、今までいくつも作品が生まれてきたのだ。メールと比べて時間も手間もかかるが、これはこれでいいものである。

チェスを観戦

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全日本チェス選手権とゴールデンオープンが行われている蒲田の会場に夕方赴いた。今回はプレイヤーとしては参加できなかったが、知り合いの対局姿だけでも見ておきたいというわけだ。明るいうちに着けるはずだったが、途中ちょっと寄り道していたら案外時間を食ってしまい、会場に到着したときには6時近くになっていた。Tさん、Oさん、Kさんなど、これまで対局を通じて知り合った方々の奮戦ぶりを確認。自分が指しているときは指すべき手が分からないと焦って焦って仕方がないのに、当事者でないとこうも気楽に盤面を眺めていられるものかと思う。やはり震災の影響か、例年に比べると若干参加者は少ないらしい。そういえば、節電するということで会場の建物の入口は電気が消されており、会場を間違えたのではないかと一瞬不安になってしまった。来る途中の駅の構内でも、照明が半分くらい消されていたりエスカレーターが止められたりしており、あちこちに影響が出ているようだ。おそらく当分はこういう状態が続くのだろう。

7時頃までに今日の対局はほとんど終了。対局を終えた方たちと総勢6名で蒲田駅近くの飲み屋に入る。2時間ほどチェス談義をして、9時半頃散会した。

今日から2泊3日の予定で実家に移動。本当は年度末にも一度帰省するはずだったのだが、震災の影響で断念していたのだった。4ヶ月ぶりの東京は震災前と何も変わらないように見えたが、日頃のニュースを見聞きしていると、人々が不安を無理やり押さえつけて平常心を装っているような気もしてしまう。

車内でドストエフスキーの「永遠の良人」(米川正夫訳・角川文庫)を読み終わった。ドストエフスキーとしてはかなり短い話だし、彼の小説にしばしば登場するキリスト教やロシア社会を巡る深い考察は出てこないので、簡単に読むことができた。当初は千種堅訳の新潮文庫版で読み始めたのだが、開始早々今ひとつ意味がはっきりしない箇所があり、そこを米川訳で読んだらすんなり頭に入ってきたので、すぐこちらに乗り換えてしまった。文体はだいぶ時代がかっているが、読むには苦労しない。今は絶版になっているようなのだが、これは復刊しておいてもらいたいものだ。

4月からTR大に転任されたI先生が広島にいらしたので、久しぶりにセミナー。今は3人がそれぞれ忙しく、なかなか時間がとれそうにない。今日も講義の入っているHさんと自分が入れ替わり立ち替わり出て行く形になり、セミナーというよりは近況報告会のようなことになってしまった。しかしまあ、これでも何もしないよりはいいに違いない。

Hさんは2ヶ月ほど前、食事量を減らしてもっと運動するようにと健康診断の数値を見た医者から言われたそうで、最近は食堂でも脂っこいメニューを控えてサラダを多めに採ったりしている。今日も食後に「ちょっと歩きたいので一緒に行きませんか」というので、3人でキャンパスの外に出た。40分くらいかけて、付近の道をぐるっと回る。坂道が多いので、ただ歩いているだけで結構いい運動になる。今日は黄砂がひどく、ほんの数キロ先の山もかすんで見えないほど視界が悪かったが、気温は暑くも寒くもなくてウォーキングにはもってこいの暖かさだ。Hさんにならって、自分もときどきやってみてもいいかもしれない。

家でゆっくり

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3連休の3日目だが、今日も特に出かけることもなく、家でゆっくり過ごしていた。午前中はテレビで将棋観戦、午後はピアノを弾いたり、読書をしたり。今はドストエフスキーの「永遠の良人」を読んでいる。ドストエフスキーにしては珍しく短いので、すぐにも読み終わりそうだ。

今年の大型連休はどうも曜日の回り方が悪い。明日を挟んでまた3連休があり、その後平日が一つ入って土日が来る。3連休はまた蒲田でチェスの大会が行われるが、今年は残念ながら参加しないことにした。出場するなら前後の日も移動日として確保したいが、今年度は6月と7月に出張する可能性が高く、ここで休講を入れるわけにはいかない。それにこのところチェスには身が入っておらず、指したところで勝てるわけがないのは明らかだ。まあ今に限らずそんなに勝てたためしはないのだが、せめて自分の頭の中で「もしかしたら何局か勝てるかも」と勝手な妄想ができるくらいのときに指したいではないか。一応2泊3日で実家に帰省はするつもりだが、滞在中に所用もあるし、基本的にはおとなしくしていることになると思う。

2017年2月

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