コンピュータチェス界のスキャンダル

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あの地震が起こる少し前、世間を騒がせていたのは入試のカンニング騒ぎだった。匿名掲示板に投稿して解答を聞くという手口こそ物珍しかったが、カンニングという行為自体は、試験というシステムには昔からついて回る話である。試験のカンニングほど歴史は古くはないが、チェスの対局においてこっそりコンピュータに調べさせていたことがバレたという話も、コンピュータが世界チャンピオンより強くなってしまった今となっては、そんなに珍しい話でもなくなった。しかしチェスを指す人間ではなく、コンピュータの方がずるをしていたことが明らかになったらしい。より正確には、そのプログラムを書いた人間に問題があったということだ。

Chessvibesの記事によると、世界的に有名なチェスプログラムであるRybkaが、実は既存のチェスエンジン、CraftyとFruitのコードを剽窃して作られたものであったことが明らかになったという。Rybkaの「生みの親」であるVasik Rajlichはコンピュータチェスの団体であるICGAを追放されるほか、Rybkaがこれまでに獲得したコンピュータチェス世界選手権4回優勝という栄誉も、すべて剥奪されるということだ。詳しいことはリンク先にあるが、これはコンピュータチェスの歴史における一大スキャンダルである。何しろRybkaといえば、誰もが認めるコンピュータチェス界最強のプログラムだったのだ。記事の最後にもあるが、ベン・ジョンソンのドーピング事件を思わせるインパクトである。

私自身Rybkaを持っているのだが、このような事態が起きるとは思いもよらなかった。いくら強いといっても、人が書いたコードを利用してできたプログラムで、棋譜の検討をする気にはちょっとなれない。まあもうあまり使うことはなさそうだ。

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このページは、natsuoが2011年6月29日 23:59に書いたブログ記事です。

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