チェスの話

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午後に神戸を出て、広島の我が家に帰ってきた。寒さが厳しく、家の周辺はうっすらと白くなっていた。今夜にもう少し降りそうだ。年賀状をチェックし、何人かに急いでお返事を書いた。

新幹線の車内で、昨日読み残していたツヴァイクの「チェスの話」を読む。ナボコフの「ディフェンス」と並んでチェス小説としては有名だが、まだ読んだことがなかった。やはりここでも、ツヴァイクが生きた時代の暗い社会情勢が色濃く反映されており、読むものの心に深い印象を残す。小説などにおいてチェスはしばしば狂気と隣り合わせのものとして描かれることがあるが、本作ではさらに、精神的な自由を奪われて極限的状況に置かれた人間に、ただチェスを考える楽しみだけを与えるという残酷な設定がなされている。作中にはAlekhine-Bogoljubov戦の棋譜も少しだけ登場するが、ツヴァイクがどれくらいチェスを指したのかは興味のあるところだ。もっとも彼の過酷な運命を考えれば、後半生はチェスどころではなかったのかもしれない。

ツヴァイクはなかなか面白いので、またそのうち読んでみよう。

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このページは、natsuoが2012年1月 4日 21:57に書いたブログ記事です。

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