タイトルマッチ終了

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モスクワで今月行われていたチェスの世界チャンピオン選手権が終了した。タイトル保持者であるAnandにGelfandが挑んだ今回の勝負は、予定されていた12局を終わってもまだ差がつかず、昨日行われたタイ・ブレークの早指しでようやくAnandが一歩リードし、そのまま逃げ切る形になった。ゲームの勝敗の進行を追ってみると、
第1局~第6局 ドロー
第7局 Gelfand勝ち
第8局 Anand勝ち
第9局~第12局 ドロー
タイ・ブレーク1局目 ドロー
タイ・ブレーク2局目 Anand勝ち
タイ・ブレーク3局目 ドロー
タイ・ブレーク4局目 ドロー
という流れである。前半はどちらかといえばGelfandが押していて、Anandはどうにかドローにしているように見えた。第7局でついに均衡が崩れてGelfandが一歩リードしたが、直後の第8局でGelfandがブランダーを出して自滅。それからはまたドローの連続になった。短期決戦のタイ・ブレークで、Anandがワンチャンスをものにして勝負をつけたという感じだ。何年か前にKramnikとTopalovが対局したときは、Kramnikが頻繁にトイレに行くのはおかしいなどとTopalovが因縁をつけた「トイレ騒動」でかなり険悪な雰囲気になったが、今回は幸いそういうこともなく、終始穏やかに行われたようである。やはり、この方が見ていて気持ちがいい。

それにしても、こうして見るとやはりチェスというのはドローが多いゲームである。もちろんレベルがそれほど高くない対局者なら、例え実力が同じくらいでも勝負がつくことの方が多い。しかしグランドマスターのレベルになると、お互いが大きなミスをしないので均衡は容易なことでは崩れない。ましてや世界チャンピオンを決めるマッチとなればなおさらだ。

ふと思ったが、こういうタイトルマッチはサッカーの試合の流れと似ているかもしれない。つまりほとんどの時間では押したり引いたりを繰り返しているだけで点は入らない。それがあるとき、ついに点が入って均衡が崩れる。なかなか点が入らない分、得点の瞬間はそれだけ劇的なものになる。チェスもドローが多いからこそ、勝負がつく対局が重くセンセーショナルになるわけだ。

立ち上がりから両者お互い慎重な試合運びでボールを回し、得点のないまま前半を終了。後半開始早々、Gelfandのシュートが決まって1対0とリードしたが、その5分後、今度はGelfandのオウンゴールで再び同点に。その後はお互いシュートを放つも決定打にはならず、そのまま後半が終了した。延長前半、Anandがついに決勝のゴールを上げる。後半もGelfandの猛攻をしのいで逃げ切った。今回のマッチ全体をサッカーに例えるなら、こんなところだろうか。

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このページは、natsuoが2012年5月31日 22:48に書いたブログ記事です。

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