ヘビを折る

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年の初めにその年の干支の動物を折紙で折るというのが、ここ数年の恒例行事になっている。年賀状のデザインにも使うつもりなので、実際には年末のうちに折っておくのだが、今年は本当に困ってしまった。現代の折紙はひたすら進歩を続けていて、およそ形のあるものならどんなものでも折紙作品になっている。それもリアルで美しく設計されたものばかりだ。ところが、ヘビだけはどうもこれという作品がない。ヘビの折紙作品自体はいくつかあるのだが、たいていは紙をただ細長く折りたたんだだけの作りで、あまり面白くないのである。手足やら触角やら、突き出たものがあればそれによって「らしさ」を表現することができるが、何もないのでは工夫のこらしようもないのだろう。無理にでもヘビらしさを出すなら、ウロコを1枚1枚折り出すということも考えられる。実際それをやっている作品もあるが、今度は恐ろしく複雑になってしまって手に負えなくなる。対象の構造が単純であればあるほど、その表現は難しくなるのだ。

その中にあって、やや独創的なヘビの折紙を発表しているのが、Peter Engel氏である。著書 "Origami from Angelfish to Zen" において彼はこう述べている:

One day, I decided to invent an origami snake. I knew of dozens of snakes in the origami repertoire---pythons and sidewinders, diamondbacks and boas---but they were all pretty much the same. To make the longest possible snake from a square, the folders had lined up the body with the diagonal and collapsed the two other corners accordion-style to narrow the body. That was it. Subtle variations in the position of the head and tail were the only clues to distinguish one model from another. The exercise seemed trivial.
まさに自分がヘビの折紙について考えていることと同じだった。Engel氏の折紙デザインは普通のものとは違っていて、正方形の紙を縞状に折って筒状に丸め、一段ずらしてつなげることによって、とぐろを巻いたヘビを表現するというもの。今年の干支折紙はこれをやってみることにした。

OrigamiSnake2.jpgOrigamiSnake1.jpg紙は30cm×30cmで、アルミホイルの両面に雲竜紙とカラペを接着したもの。正月用なので、色はおめでたく白と赤にしてみた。白い紙の方が雲竜紙である。沈め折りなどもあって決して簡単ではなかったが、どうにか完成までこぎ着けることができた。ガラガラヘビなので尻尾の方に段折りをつけているが、これは今回は省略してもよかったかもしれない。

正直なところ、茶筒みたいな変なデザインで、とぐろを巻いたヘビとしては少々リアリティに欠けるきらいがあるのは否めない。ただ、この動物についてはあまりリアルでない方がいいということもある。何より、ただ紙を細長くするのではなく、とぐろを巻いた状態を一つの塊として捉えるというアイディアを買いたい。折紙に限ったことではないが、創作活動において大事なのは独創性である。

(折紙モデル:"Rattlesnake", Peter Engel "Origami from Angelfish to Zen"(Dover Publications) 所収)

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コメント(2)

はじめまして。neoと申します。
折り紙作品、興味深く拝見いたしました。

私も昨年は前川淳氏の龍を折って写真に撮り、年賀状にしたのですが、今年の干支の蛇は気に入った折図がなかなか見つからず、探しているうちにこちらのサイトにたどり着きました。
不切正方形一枚折り、というルールを崩さないのは見事ですね。
私は結局、長方形の紙で妥協してしまいました。
(デザインは、蛇をくねらせて2013の形にしました)

はじめまして、コメントありがとうございます。
実のところ、私も今年は不切正方形一枚折にこだわらず、
長方形の作品にしようかなとずっと迷っていたのですが、Engel氏のヘビはちょっと変わっていて、
こんなときでもなければ折ることもなさそうなので、この機会にやってみることにしました。
来年の馬はいい作品がたくさんあるので、作品選びに悩まずにすみそうですね。

今後ともよろしくお願いいたします。

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このページは、natsuoが2013年1月 2日 23:59に書いたブログ記事です。

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