コンクールでのアクシデント

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少し前のことだが、6月に行われたチャイコフスキー・コンクールでアクシデントが起きたことを、最近になって知った。予選を勝ち抜き、ファイナリストに選出された7人の一人、Tianxu Anに、思わぬトラブルが起きたのだ。

ファイナリストは、審査員と多くの聴衆を前に、ピアノ協奏曲を2曲演奏しなければならない。Tianxu Anはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を選んだ。どちらを先に演奏するかは演奏者が決めることができることになっており、Tianxu Anは最初にチャイコフスキーを弾くと伝えていた。ところがどういう行き違いが起きたのか、なぜかオーケストラには逆の順番で弾くと伝わっていたのだ。極度の緊張状態の中、チャイコフスキーのあのホルンが聞こえると思っていたら、突然弦楽器が鳴り出す......そのときの様子を見ることもできるが、こんなに恐ろしい瞬間はなかなかないのではないだろうか。しかもパガニーニ狂詩曲はいきなりピアノパートがあるから、気持ちを立て直す余裕が全くない。自分は協奏曲を演奏することなどないだろうが、こんなことがもし起こったらと考えるだけでぞっとしてしまう。

Tianxu Anは必死で最後まで演奏した。終了後、特別に再度演奏してよいと提案されたが断ったとのこと。確かに、もう一度弾く気にはなれないだろうという気がする。ただ、さぞかしショックを受けているだろうと思ったら、「あれはちゃんと確認しなかった自分の責任」と話し、表彰式でも笑顔で登壇していたようだ。この精神力は見習いたいものである。

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このページは、natsuoが2019年8月26日 23:59に書いたブログ記事です。

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