タツノオトシゴを折る

昨年は折紙をほとんど折らなかった。折りたいとはいつも思っていたのだが、公私にわたってやらなければいけないことが山積し、まとまった時間をとることが難しくなってしまった。たまに折ってみても途中で折図通りにいかなくなって断念することもあり、完成までこぎつけることができなかったのだ。今年はもう少し折っていきたいと思っている。

例年、年の初めにはその年の干支の折紙を折っている。第一の目的は年賀状の図案に利用するためだ。昨年に父が他界したので年賀状はつくらなかったが、それでも干支の折紙はやろうと決めていた。しかし辰年にふさわしい東洋風の龍は、12年前に前川淳さんの名作をすでに折ってしまっている。ほかはドラゴンと呼ぶべき西洋風のデザインばかりで、干支には合わないのだ。それでいろいろ探してちょっといい作品を見つけたのだが、折りがどうもうまくいかなくて途中でギブアップしてしまった。

苦肉の策として考えたのが、タツノオトシゴの折紙である。モデルの作者は中国の折紙作家、劉世祥 (Shixiang Liu) 氏で、紙は30cm四方のTissue-foil paperを用いた。一応おめでたい意味も込めて金色を採用。こちらはどうにか最後までたどりつくことができた。

ブランクのせいで少し腕がなまっているのかもしれない。やはりコンスタントに折り続けることが大事なのだろう。

(折紙モデル:劉世祥「海馬」、「第27回折紙探偵団コンベンション折り図集 Vol.27」(おりがみはうす)所収)

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