新幹線から飛行機へ

実家に一泊したあと、広島に帰る。2時頃出発して2時40分ごろに東京駅に着くまでは予定通りだった。しかし、駅のホームが見えてきたころに何気なく開いたスマホで「東海道新幹線運転見合わせ」の文字を見た瞬間から、思わぬ脱出劇が始まった。

今日は日本海側で大雪になると分かっていたので、雪を理由にある程度遅れることは覚悟していた。しかしまさか、雪とは関係のない架線トラブルで何時間も運転できない事態になるとは思わなかった。新幹線の改札口まで行ってみるとすでに人でごった返しており、駅員が拡声器で「運転再開の見込みは立っておりません。再開までには相当時間がかかると思われます」と連呼している。これは困った。明日は授業などいろいろ予定がぎっしり詰まっており、何としても今日中に帰らなければいけない。

ここですぐ決断をしたことが、今回は吉と出た。スマホで羽田-広島便を調べると、6時過ぎの便に残席が9席あると判明。いったん妻と少し電話をし、そのあとでもう一度調べると残席は5席に減っていた。ここは行くしかないと決め、すぐ座席を押さえて支払いもすませてしまった。こんなことが手元の小さな機器でできるようになったのだから、世の中変わったものだ。

そこから立ち往生している無数の人たちの脇をすり抜けてさっさと山手線のホームへ向かい、浜松町まで移動。このあたりで、新幹線の運転再開は16時半ごろの見込みというアナウンスが出たが、たとえその時間に動き出したとしても、あの乗客の数がさばけるにはさらに相当な時間がかかるだろう(実際に動き出したのは5時過ぎだった)。浜松町で切符の払い戻しを受けたあと、モノレールで羽田空港へ。保安検査場も長蛇の列だったが、東京駅の混雑ぶりに比べれば数段ましだ。かくして、登場予定時刻の1時間前には搭乗口にたどり着くことができた。

実際には飛行機も少し遅れたが、8時過ぎには広島空港に到着。そこからバス2台を乗り継ぎ、帰宅したのは10時少し前だった。予定より遅れたとはいえ、これくらいですめば何の問題もない。新幹線はあのあとも大混乱だったようで、あそこですぐ見切りをつけたのは正解だったと思う。それに運も味方してくれた。もう少し早く着いてすでに新幹線に乗っていれば何時間も動かない車内に閉じ込められていたはずだし、もう少し遅ければ飛行機が満席になって選択肢を失っていたはずだ。一人で行動していたおかげで、急遽決めた脱出計画を気兼ねなく遂行できたというのも大きかったといえるだろう。

次回の上京時には、こういう大きな交通トラブルがないことを祈りたい。

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