「悪霊」を読む

数日前のことだが、ドストエフスキーの「悪霊」を読み終わった。実は十数年前に一度読み始めたものの途中で止まってしまい、以来ずっとそのままになっていたのである。やはり一度は読み通しておかなければ恥ずかしいので、数ヶ月前に一念発起して再挑戦した。今の生活では長い時間をまとめてとることができないので、毎日のちょっとした時間に細切れに読み進めるしかなかった。何とか今回は終わりまでたどり着けてホッとしている。

ほかの訳でどうなっているかは知らないが、今回読んだ新潮文庫版では、スタヴローギンがチホン僧正に告白する章が巻末に置かれている。ドストエフスキーは当初これを全体の中ほどに挿入しようとしたが編集長に拒否され、やむなく原稿を発表しないでいたらしい。もしこれが当初の予定通りの場所にあったら、物語全体の印象が結構変わったのではないかという気がする。

「罪と罰」、「白痴」、「悪霊」、「カラマーゾフの兄弟」は一応これで読んだことになる。「永遠の良人」もあった。長編ではあと「未成年」があるが、これはどうしようか。またその気になったら手に取ろう。

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