数日前のことだが、夏が終わるころから何ヶ月もかけて少しずつ読み進めていた、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」をようやく読了することができた。文庫版を買ったのはもっと前だったが、ほかに読む本が多く、順番待ちだったのである。今の生活では、一日の中でまとまった読書の時間をとることはほぼ不可能で、出勤前のトイレの中とか、みんなが寝静まった深夜とか、わずかな隙間時間に数ページ読むのがせいぜいだ。それでも粘り強く前進した結果、年が変わる前に大作を終わらせることができたのはよかった。やはり名作・傑作とされているものは、一度は読む体験をしておきたい。
今年はアンソニー・ホロヴィッツやジル・ペイトン・ウォルシュなど現代のミステリ数冊のほか、ディケンズ、H.G.ウェルズ、マンスフィールド、キプリング、チーヴァーらの短編集を読んだ。長編では上の「百年の孤独」のほか、カポーティの「遠い声 遠い部屋」、セバスチャン・ジャプリゾの「長い日曜日」を読んだ。別に読んで賢くなるわけでも何かに役立つわけでもないうえ、忙しくて時間を捻出するのにも苦労しているが、だからといってこういうことを完全にやめてしまいたくはない。ある種の精神的な豊かさを捨ててしまうような感覚があるのである。今後も細々とではあるが、何とか続けていきたいものだ。来年はどのへんから読んでいこうかと、今から考えている。




